凝ってみる?

 

 



 手づくりパン

欧米のキッチンには必ずオーブンがあるから、手づくりパンに凝る人がけっこう多いです。パン焼き器も普及しているけれど、残念ながら、伝統的なつくり方のパンはこの便利な道具ではうまくいかないのですね。ドウをこねる作業はストレス解消にとても良いというから、あなたも趣味と実益を兼ねて挑戦してみては。

わたしが住んでいる田舎町の近くに「Bread Alone」というベーカリーがあります。店主のダニエル・レダーさんは大学で哲学を専攻していたのですが、卒業間際になって・#31934;神・#12392;・#36523;体・#12398;バランスを取る必要を感じのだそうです。「手をつかって何かつくりたい」という強烈な欲求に突き動かされて料理の道に入り、ニューヨークの高級レストランでシェフを務めたのち、パンづくりの魅力に取りつかれ、ニューヨーク州北部の田舎町で「ブレッド・アローン」というベーカリーを始めわけです。ここで作られるパンはわたしが住む町の食品店で売っているので常食していますが、「こんなパンがあったのか!」と感激してしまうほどおいしいです

ダニエルさんは数年前に Bread Alone という本を出版しました。彼は冒頭で「おいしいパンを探すのは難しいが、作るのは簡単」と言ってます。この本は、そのおいしいパンの作り方を、材料の選び方から保存の仕方まで、懇切丁寧に解説しているのです

そこで、初心者用のレシピをひとつ、ここで紹介してみましょう。といっても、8ページもあるレシピなんですけど・・・・・

 A Learning Recipe:

Classic Country Style Hearth Loaf

 計量カップはアメリカのサイズ(アメリカの1カップ=日本の1 1/5カップ)です。ここまで凝るのなら、アメリカの計量カップをひとつ手に入れるのも一案ですね。日本のカップに直すと数値が煩瑣になってしまうのです。でもダニエルさんは重量を計る方が誤差がなくて良い、と言ってますので、重量も書いておきます。計量カップやスプーンを使う場合は、山盛りにしてからヘラで平らに削り取る方式を用いるように、とのことです。

 パン種

上質の水(室温・24℃)      /2カップ ( 4 oz )

酵母 天然                            小さじ   1   (1/4 oz)

        粉末                            小さじ   /2 (1/8 oz)

胚芽20%の全粒小麦粉         /4カップ (4 oz)

 ドウ

上質の水                              /カップ (20 oz)

酵母 天然                             小さじ   1(1/16 oz)

        粉末                             小さじ   /2(1/8 oz)

胚芽20%の全粒小麦粉          /―6/カップ(26~31oz)

天然塩                                  大さじ   1(3/4 oz)

 

ステップ1:パン種をつくり、醗酵させる(2−10時間)

 酵母と水をボウルに入れ、1分ほどしてから木杓子で酵母が溶けるまで混ぜる。お湯を使って酵母の醗酵を促進させる方法を好む人もいるようだが、私はじっくりと時間をかけて醗酵させる方が良い結果が出ると思っている。

小麦粉を加えて、粘りが出るまで木杓子で百回ほど混ぜる。ボウルにくっついたパン種をゴムへらでかき集め、示した布かプラスチック・ラップをかぶせ、24、5℃の部屋でドウが膨らむまで寝かす。時間をかけて寝かせば寝かすほど風味が増す。長時間寝かせているあいだにペシャンコになったりするが、また膨らむので心配はない。冷蔵庫で12−15時間寝かせてから、室温でさらに2時間寝かせると、すばらしい風味になる。

 

ステップ2:ドウをつくってこねる(約20分)

 ステップ1で作ったパン種は、プツプツと泡立ってふっくらと柔らかく、小麦の香りがツーンと鼻を突く状態であることを確認する。それを大きなボウルに入れ、上記のドウ用レシピの量の水を加えて少し泡立ちはじめるまでよく混ぜる。5カップの小麦粉を加えて混ぜ合わせ、塩を加える。ドウがこねられる硬さになるまで、残りの小麦粉の量を越えない範囲で少しずつ加えていく。60センチ四方くらいのテーブルに粉をひいて、ドウが手にくっつかないように手に粉をまぶしながらこねはじめる。

まず片手のひらの付け根で、少しずつ粉を加えながら15−17分、押しつけては折り返す。どうしてもドウが柔らかすぎる場合はレシピの分量を越える小麦粉を足さざるをえない。

しだいにドウはなめらかな粘りを持って来る。弾力が増してこねにくくなるが、遠慮せずに思いっきり全身の力をこめて格闘しよう。ドウに指を突っ込んで、その穴がすぐにバウンスして元に戻るようなら準備完了。

 

ステップ3:ドウを醗酵させる

ドウを大きな玉に丸める。大きなボウルの底に大さじ一杯のショートニングか柔らかくしたバターを塗り、ドウを入れる。上下を返してドウ全体に油脂をまぶす。ドウの温度を計り、78度Fより高ければ冷蔵庫へ、低ければ暖かい部屋に置くなどして温度を78に調節する。濡らして固く絞った布巾をドウかぶせ、室温が74―80度の隙間風が入らない部屋で2倍の大きさに膨らむまで寝かせる。ドウに1センチ半ほど指を突っ込んでみて、うまくへこむようなら準備完了。

 

 ステップ4:ドウを休ませる!(30分)

膨らんだドウを再びぺしゃんこにして、また大きな玉に丸め、布をかぶせて前回と同じ部屋で30分間休ませる。

 

ステップ5:ドウをふたつに分けて形づくる

ドウを小麦粉をひいたワーク・テーブルに置き、軽くこねてから等分に分ける。ふたつのドウをそれぞれ手のひらでしっかりと押さえつけていったん平たくしてから、かっちりとした玉状に形作る。これは丸パンの場合だが、他の形にするときのコツは後で述べる。

 

ステップ6:ドウを寝かせる(1時間半から2時間)

ボウルまたはバスケットをふたつ用意し、粉をたっぷりまぶした布巾を敷いてドウを置く。上から歩名をふりかけて、堅くしぼった濡れ布巾、またはラップをかぶせて室温23℃から27℃の、隙間風は入らない場所で約1時間半、2倍の量に膨らむまで寝かせる。

 

ステップ7: ドウを焼く(40分)

ドウをオーヴンに入れる前に45分から1時間、オーヴンを245℃で熱しておく。オーヴン・ラックが真ん中の位置にあることを確かめておく。ドウの入ったボウルをそーっと逆さまにしてドウをオーヴン皿に置き、良く切れるナイフでドウの表面に1センチくらいの深さの切り込みを入れる。ドウをオーヴンに入れ、オーヴンの内壁と底に水をスプレーして(約7秒)蒸気が満ちた状態にする。オーヴンを閉じて約3分熱する。もう一度同じことをくりかえし、オーヴンをすばやく閉じて約20分、ドウが色づきはじめるまで焼く。温度を210℃まで下げて、さらにこんがりと焼け色がつくまで(15分から20分)焼く。

 

ステップ8:冷まして保存する

少なくとも20分は冷まさないと、パン焼きの工程は完了しない。これが済む前にパンを千切ると、真ん中の部分のドウが生焼けになっている。ラックの上に乗せるなど、パンの底を持ち上げておかないと底の部分がしめっぽくなる。

焼き立てを賞味した後、残りは切った部分をしたにして、ワップで包んだりせずにそのまま保存する。パン箱に入れてもいい。3日間は新鮮な味を楽しめる。その前に家族が食べてしまうことはまちがいないが。

焼き立てを十分冷ましてから、ラップに包んで冷凍してもいい。食べる2時間以上前に冷凍庫から出して、ラップの包んだまま室温で解凍し、185℃のオーヴンで10分から15分焼く。レシピはパン2個分の分量になっているので、常に一個は冷凍するといいだろう。

 

いかがですか? 凝ってみたくなりましたか?

この際、石のパン焼きオーヴンなどを庭につくって、薪も香りのいいものを使って・・・やってみますか?

その場合は・・・「イタリア・トスカーナに暮らして」という本をお読みください。伝統的なトスカーナのワインづくり、生ハムの仕込み、チーズづくりの方法が書いてある、ぞくぞくする本です。

 「イタリア・トスカーナに暮らして」      

エリザベス・ローマー著

白水社 ISBN4-560-04588-7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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