シュガーバスター
By Leighton
Steward et al
出版社:講談社
ISBN4-209630-7
1999年5月発行
血糖値を急上昇させる食材を避け、インスリンの分泌を正常に保つことで肥満を解消し、糖尿病、心臓血管症、動脈硬化など、あらゆる生活習慣病の予防と改善ができる、という新理論。血糖値を上げる食品の代表は砂糖だけれども、実はパンもごはんも「白い」精製加工された食材は砂糖と同じ速度で血糖値を上げる。ほかにもジャガイモなど意外な食材がインスリンの多量分泌に加担しているという。
糖尿病を病む人はぜひ読んでください。
訳者あとがきにかえて
「日本人の食生活は夢のようですね」
二十六年余アメリカで暮らしているあいだに、この賛辞を何回きいたことでしょう。
健康志向のアメリカ人の友人は「脂肪の少ない良質たんぱくのトーフやナットウ、オメガ3価不飽和脂肪酸がたっぷりのイワシやサバ、カルシウムやミネラルの宝庫の小魚や海藻、抗酸化作用のある緑葉野菜をたくさん食べられるオヒタシ、抗ガン作用があるという緑茶、ミソ、シイタケ・・、こんなものを毎日よろこんで食べているんでしょう。アメリカ人なら瀕死の病人でも、これほどの食餌療法はできませんよ」と絶賛します。
わたしは情報は正確でなければ、と思うあまり、
「しかし、こういうものを食べるためには、炊きたてのシローイご飯を二、三杯おかわりしてしまうんですよ。それに、海洋汚染とか食品添加物の問題もありましてねぇ。改良種のくだものがやたらと甘くて困るし、だいたい若い人はマクドナルドとケンタッキー・フライドチキンが大好きで・」
このあたりまでくると相手は目を白黒させて、夢をこわされて悲しいという顔になってしまいます。
日本人がシュガーバスター・ライフスタイルを実践する上での難関は、大好きな白いご飯を制限しなければならないということでしょう。体質によってはまったく食べない方がいい人もいるかもしれません。アメリカの食習慣では米はつけ合わせの野菜のようなものですから、本書でも詳しくは触れていませんが、日系アメリカ人研究者の報告によると、カリフォルニア産の日本米のグリセミック・インデックス(以下G.I.と略称)は、穀物食材の中でも最も高い部類にはいっています。
こちらでは日本のお米のような粘りと甘味のある種類をショート・グレインといいますが。アミローズという多糖類が少ない(多いのではなく!)お米なのだそうです。お米の場合、このアミローズが少ないほどG.I.が高くなります。玄米でもショーチ・グレインなら高めになります。わたしたちが「外米」といっている、あのパラパラしたお米(ロング・グレイン)を、それも玄米で食べればなんとか許容されるG.I.値になる、といわれています。
数千年にわたって米食をしてきたアジア人の体は、多少ちがうのではないかと思いたいところですが、この辺も今後の日本での研究が待たれるところです。今のところ、むしろアジアは民族的に血糖値が上がりやすいという説や、穀物病という離乳食に関連した免疫障害からくるアレルギーの場合、これまで食べてきた穀物(西洋人は小麦を、日本人は米を)を食べない方が良いという説など、あまり嬉しくないニュースばかりです。また、吐くまいを常食する習慣が全国的に広まったのは1960年代であるともいいますし、昔の込めは現在の改良種とずいぶん違うそうです。「米のひと粒にこめられた日本人の魂」といっても、いったいその種類の米だったのか、再検討する必要がありそうです。健康上、気がかりなことのある人は、しばらく、ご飯断ちをしてみて効果があるかどうか試してみてはいかがでしょう。
日本の伝統的な食事の中には、確かに世界に誇るべきものがたくさんあります。ご飯をたべなくなったために、これまで常食してきた健康的な惣菜から離れてしまうとしたら一大事です。なんとか半膳、または玄米で食べられるように、あるいはご飯抜きの食事も合う味付けを研究していきたいものです。
いっそパン食、パスタ一辺倒にしてしまった方が未練がなくていい、という人もいるかもしれません。その場合も、全粒入りのものを厳密に選んでいかなければなりません。砂糖入りのフワフワしたパンでは変える意味がないのです。
本書がアメリカで出版されて以来、実践ガイド書として、全粒粉入りのシリアル、パン、パスタ、無糖のさらだ・ドレッシング、スパゲッティ・ソース、ココア含有量70%以上のチョコレートなどの製品名、入手ルートをリストしたショッピング・ガイドの小冊子が出版され、またインターネットにディスカッション・フォーラムも組織されて、全米(カナ、ニュージーランド、イギリスからの参加者もいます)の実践者の情報交換の場として活躍しています。本書と同じ理論に基づいて書かれた他の著者の料理書もいくつかあり、実践者はそういった数少ない資料をもとに、自主的に研究を重ねています。
グリセミック・インデックスに関しては、六年間にわたって独自に調査してきたフリー・ライター、メンドーサ氏のウエブサイトが膨大な資料を提供しており、実践者のバイブルのようになっています。メンドーサ氏の情報源であるオーストラリアのシドニー大学では、ジェニー・ブランド・ミラー博士が率いる研究チームによって、次々と食材のG.I.が確認されていますが、300種類の食材のG.I.を網羅した本が1998年に出版されました。これらの情報に関しては巻末にリストしましたので参照してください。
シュガーバスター実践者のフォーラムに三ヶ月近く参加してみて感じたことは、「低脂肪・高炭水化物」を推奨するダイエットをやってみて、一度はやせたがまたもとに戻った、糖尿病が改善しなかった、食欲をコントロールできなかった、という人たち、また、アトキン・ダイエットなどの「高タンパクダイエット」でやせたが、もっと柔軟性のあるダイエットに切り替えたい、などの動機が目についたということです。投稿者は[二四〇・175・130]というように、ダイエット以前、現在、目標の体重を毎回のメールに添えている人が多く、実際にどのくらいの硬化が上がっているのかを知ることができます。
正直いって、日本人のわたしの食習慣から見れば、あまり健康的とも思えないような食材や料理法が登場することもあります。しかし、体験者はそれでやせることができ、コレステロールも減ったといっているのですから納得する以外にありません。
「低脂肪だからといって、バター抜きのポップ・コーンを山ほど食べていたのはまちがいだった。これまでは禁止していたナッツやチーズを食べ始めたら、少量でも満足感を得られるようになった」という反省の声がたくさんありました。脂肪の多いものは「少量」だけ食べるというところが肝心なのですが、肥満に悩む人にとっては、何であれ「少量」ですませるのは難しいことだったのです。その「空腹感」の問題が、はじめの二週間だけでも厳密に砂糖とG.I.の高い炭水化物を断つことでコントロールができるようになった、という体験談が無数にありました。
シュガーバスターのコンセプトの中で非常に重要なことは、70年代以降主流となっている「低脂肪・高炭水化物」ダイエットのいきすぎを正していることです。著者は本文で
「チキンの胸肉とベークト・ポテトやコーンを食べるよりも、牛の挽肉ステーキと山盛りサラダを食べるほうがマシ」と比喩しています。日本食に当てはめるならば、やせようと思っている人が脂肪を減らせば良いのだろうと勘違いして、お茶漬けやそうめんばかり食べていたのでは裏目に出るということです。また、市販のダイエット商品の中には、脂肪を減らした分たけ糖分が増えているものが多いのです。
公平を期するためにつけ加えますが、正統な「低脂肪・高炭水化物」ダイエットは、炭水化物を精製されていない穀物と野菜から摂取するように勧めています。日本でも玄米食を推奨する食事法の多くは、非常に節度のある選択をしていると思います。
甘党の人が砂糖断ちをするには人工甘味料の助けを借りなければならないケースが多いのですが、アスパティーン系甘味料の安全性についてや、また同じ糖類でもG.I.が低めの果糖や二糖類を材料にしてつくられた甘味料の是非についても盛んに討議されています。今のところ、甘味料に関しては結論が出ておらず、各自が自分の血糖値を測りながら選択するしかないようです。また、日本でも栽培されているステビアというハーブから抽出した甘味料が、最近注目を浴びています。
くりかえし討論されているテーマは、「体質はひとりひとり違うから、必ず自分自身の身体で試してみること」「病気の人は医者の指示に従うこと」「グリセミック・インデックスだけが健康的なホルモン九児の基準ではない。従来の栄養学を踏まえた上でG.I.の低いものを選んでいくこと」「ライフスタイルとしてつづけていくためには、自分の体に合う範囲で、食べる楽しみを残しておかなければならない」などです。
バランスのとれた健康的な食事といってもさまざまな側面があり、そのすべてを網羅するのは不可能に近い作業です。血液型によって消化機能の進化に差があり、完全な菜食主義向いているのはA型の一部だけ、という説すらあります!
食べ物だけではなく、運動や呼吸法やストレスと健康に関係も重視されていますから、くよくよと悩み過ぎると、それだけで病気になるかもしれません。しかし、朝はトーストとコーヒー、昼はマクドナルドかおむすび、スナックにポテト・チップやおまんじゅう、夕方行きつけの飲みやで肉ジャガをつまみながら一杯やって帰りがけにラーメン、夜食にお茶漬けという食生活をしている人がいたら、他人事でも心配になってしまいます。まず、自分が食べているものを一週間くらい記録してみることからはじめたらどうでしょう。自分でもびっくりする発見があるかもしれません。
グリセミック・インデックスの研究はまだ過渡期にあり、試行錯誤がくりかえされています。本書の出版時点ではあきらかにされていなかった情報もあり、今後の報告が期待されています。読者のみなさんがシュガーバスター・ライフスタイルを実践する上で、とまどうことも多いと思いますが、自分の体質に合わせて、より健康で楽しい食のスタイルを築き上げていくという柔軟性もシュガーバスター食事法の魅力のひとつです。
本書の提案やアメリカの実践者の体験をもとにして、日本のみなさんが食生活を変えるときの参考になるアイデアを紹介しておきます。
1. 前述のようなアメリカ人が絶賛するような食事をしている方は玄米に変えるか、健康上の問題がないなら判膳から一膳の白米を一日に一食だけ、それもできれば毎日は食べないようにすることからはじめるといいでしょう。砂糖を使ったものは調味のときの隠し味でも制限し、ご飯と一緒に食べるものは極力G.I.に低い食材を選ぶようにすれば、これまでよりもかなり糖分の摂取を減らせると思います。既製品に含まれている糖分を点検することも忘れないでください。冷奴はせん切りのサニーレタスと一緒に盛りつけ、しょう油、レモン汁、おろしショウガ、ゴナ油のドレッシングで食べると、ご飯なしでもなんとかなります。納豆もムニエルにしたり和え物の味付けとして使えば、ご飯の量を減らせるでしょう。豆の甘煮はやめましょう。少量の肉とタマンギで甘味をつけ、出し汁で煮たり香辛料を効かせて新しい味をつくってください。
2. 玄米を白いご飯の変わりには食べられないという人は、まったく違う料理法にしてしまうと気分が変わって好きになるかもしれません。玄米、大豆の水煮、ブロッコリー、カリフラワー、インゲンなど、水っぽくならない野菜を刻んで、それぞれ同量ずつ入れたチャーハンとか、同じような材料を茹でてサラダ・ドレッシングで合えたもの、スープ仕立てにしたものなどです。また、この際、玄米以外の健康的な穀物も混ぜ合わせて、西洋風にチキン・ストックで炊き、バターや香辛料で味付けるのはどうでしょう。戦後生まれが中年、老年に入っていく時代になって、お米なしの雑炊を見て暗い気持になる世代も減ってきたのですから、G.I.も低く、ビタミンも豊富な玉麦(pearl barley)、スペルト、ブルグアなどの穀物を、新しい感覚で毎日の食事に取り入れていく工夫をしてください。ただし、穀物食材は何であれ大量には食べないこと。
3. パン食の場合、まず、穀粒やひき割り入りの全粒粉パン、石びき全粒粉のパンなどを買えるルートを探してくだ。さい全粒でも製粉度の高い粉だけでつくったパンや強力粉のパンのG.I.は、白いパンとさして変わりません。穀粒入りの全粒パンでも、完全無糖のものを見つけるのは難しいでしょう。昔のパン職人はパン種を何日も寝かせて風味をつけたものですが、現在の製法ではその代わりに卵、ミルク、砂糖などをつかわざるを得ないのだといいます。著者は、無糖のパンやシリアルをさがすのは不可能に近いことを考慮して、一食分に3グラムまでの糖類なら許容できるといっていますから、それを基準にしてください。こだわる人は伝統的なパン作りをしている店から買いだめして冷凍するか、自分で焼くようにするといいでしょう。また、ピタ・パンは量を食べずに済みますから、ピタ・パンを半分に切ってポケットにチキン、無糖ハム、ハンバーガーなどを野菜と一緒にギューッと詰めこむと、バランスの良い食事になります。
4.パスタは100%セモリナ粉であればG.I.は外米の玄米とほぼ同じになっていますが、種類や製法が無数にあるため、判定の難しい食材です。安全を期して全粒粉のものを食べるようにした方が良いかもしれません。無糖のトマトソースや自家製パスタのつくり方は本文のレシピを参考にしてください。
5.アジア人の多くは乳製品を消化できないといわれますが、シュガーバスターではスナックとしてチーズを勧めているので困る人もいることでしょう。しかし乳製品の代用としては、さまざまな豆乳製品がありますのでためしてみてください。中東の食べ物にハマスという、豆でつくるペーストがありますが、これを大豆でつくると栄養価も味の点でもチーズの代わりに楽しめます。
6. 現在確認されている中でもっともG.I.の低い炭水化物食材はインドで常食されているChana Dalという豆です。大豆のG.I.は21で、かなり低い方ですが、チャナダルは7から16となっています。G.I.が20以下の食材は数えるほどしかありませんから、この豆を好きになれた人は幸運です。レシピをふたつ紹介しますので試してください。前述のハマスをチャナダルでつくることもできます。
*** チャナダルのカブーり***
乾燥チャナダル
2カップ半
クミンの粒
小さじ1/2
タマネギ(みじん切り)
小1個
おろしショウガ
大さじ1
ニンニク(みじん切り)
大さじ1
ターメリック
小さじ1/2
コリアンダー
大さじ1
トマト・ピュレー
3カップ半
トウガラシの粉
小さじ1/2
塩 適量
ライム汁 大さじ2
チャナダルを4カップの水で柔らかくなるまで煮て、半量だけミキサーでクリーム上にする。フライパンを熱してクミンを10秒はど煎り、はじけさせる。タマネギ、ショウガ、ニンニク、を加え、タマネギが透きとおるまで炒める。ターメリック、コリアンダー、トウガラシを加えて、焦げつかせないように20秒ほど炒める。トマト・ピューレを加えて煮たて、中火で数分煮てからチャナダルを入れて、かき混ぜながらさらに数分煮る。塩で味をととのえ、火を止めてライム汁を注ぐ。玄米と大麦を半量ずつ炊いたご飯にかけ、好みでチャトニーやサワークリーム、ヨーグルトなどを添える。
*** ブルグアとチャナダルのピラフ***
乾燥チャナダル
1カップ弱
タマネギ(みじん切り) 大一個
ニンニク(みじん切り) 2片
オリーヴ油 大さじ2
ブルグア
11/5カップ
熱湯
2カップ半
塩
適量
パセリかシラントロ
1/4カップ
挽き立て黒コショウ
適量
一晩水に浸けておいたチャナダルをザルにあけて水ですすぐ。オリーヴ油でタマネギとニンニクを6,7分炒め、水を切ったチャナダルとブルグアを加える。ブルグアがキツネ色になって香りが立ちこめるまで、3分ほど炒める。コショウ以外の材料をすべて入れて沸騰させ、弱火にして35分間、煮こむ。チャナダルが好みの柔らかさになっていなければ、1/4カップほどの水を足してさらに数分煮る。火からおろしてフタをしたまま10分間蒸らした後、おヘラでかきまぜてコショウを加える。ギリシャ風サラダに添えたり。炒め野菜と和えたり、チーズをかけたり、山羊のチーズ入りトマト・サラダをかけて食べると絶品です。
***ブルグア(bulgur)は、水に浸して煮てから乾燥させたトルコの小麦食品で、G.I.は68となっています。
上記のレシピはリック・メンドーサ氏のウェブサイトから抜粋したものです。チャナダルについての詳しい説明、入手方法、25種のレシピが紹介されています。
7.食材のグリセミック・インデックスをリストした書籍は無数にありますが、読者のみなさんが調べる際に知っておかなければならないのは、現在のところグルコースを100としたものと、精白小麦粉のパンを100としたものの2種類があることです。前者は後者の数値の70%ということです。(パンを100としたG.I. ラ 0.7 = グルコースを100としたG.I.)
パンを基準にするようになったのは、被験者に50gものグルコースを何度も食べてもらうことは不可能だからです。アメリカではパン=100のG.I.が一般的ですので、本書でもその数値を適用しました。このように混乱しやすい状況のため、料理本の中には数値をまちがえているものもありますし、独自の実験で割り出した数値を使っているものもあります。現状ではシドニー大学の研究所が出版した「The G.I. Factor」、または同じ資料を掲載したリック・メンドーサ氏のウエブサイトを参考にすることをお勧めします。
わたしたちの体には免疫力があって、体に良くないものを取り入れてもある程度までは(ある程度というところが肝心ですが)自然治癒するようです。ボディ/マインド・セラピという分野では、この免疫力を強める「発想」というものもあるといいます。何につけくよくよするのがいけないのは誰でも知っています。ところが「自分は申し分なく健康だ」と思いこめばいいというものではないのです。親ゆずりの体質であれ、無理がたたって体調をくずしたであれ、職場でのストレスであれ、家庭内のトラブルであれ、自分の生活には問題があるということをはっきり認識した上で、できるだけの努力をしてみよう、自分が納得できるやりかたで改善してみよう、という前向きな主体性をもつことが免疫力をつける、というのですがどうでしょうか。免疫力をつけていただくためには、ここでわたしがいっていることも含めて、医者の診断も、政府の推奨も、ベスト・セラーの本に書いてあることでも鵜呑みにせず、自分の身に照らして再検討すべきであるということになります。ひとつしかない大切な体ですから、他人まかせにしないで「自愛」してください。
***A.は一人住まいの方、多忙な方、料理が苦手な方に、B.は日本食が好みの方、C.は料理好きで手間を惜しまない方に。
【朝食】
A.オレンジ・ジュース/青菜と卵の炒め蒸し/全粒パンのバター・トースト1枚
水洗いした小松菜、クレソンなどの青菜を軽く水きりして4,5センチに切ります。フライパンにオリーヴ油をひき、青菜を溢れるくらいたっぷりと入れ、その上に卵を割り 入れて塩・コショウ、またはガーリック塩、セロリ塩など好みの調味料を振りかけて から火をつけ、ぴったりとふたをして中火で4,5分熱するだけ。半熟卵が嫌いな人 は火からおろしてふたをしたままさらに5分ほどおきます。ここでチーズを散らしてとかしても良いし、皿に盛りつけてからパルメジャン・チーズをかけたり、しょう油を
かけてもいいでしょう。ボリュームのある朝食を食べたい人は、ハムやソーセージを添えてください。
B.実たくさんの味噌汁/玄米一膳/のり/納豆と青菜の即席漬け
季節の野菜や海藻、魚貝類、豆腐、卵などを入れた味噌汁で朝のエネルギー補給。たまにはだし汁にチキン・ストックを足して、たっぷりの青菜を加えた洋風味噌汁にパルメジャン・チーズをかけて、ご飯なしで試してみてください。納豆は薄味にし、青菜の即席漬けを小さく刻んで混ぜ合わせます。
C青菜ジュース/マリネした豆腐またはマッシュルームとマッツオレラ・チーズのトマトサラダ/全粒クラッカーと大豆ハマスまたは豆腐ディップ
サラダ用の豆腐とマッシュルームは前日からイタリアン・ドレッシングにつけておき、翌朝、フレッシュ・マッツオレーラ・チーズとトマトを足してバジルの葉をちぎって散らします。発芽大豆で自家製豆腐をつくる場合は、濃い目の豆乳でチーズのような味にできます
*大豆ハマス
タマネギ(中一個)とニンニク(1~2片)の薄切りを炒めてから、茹で大豆(3カップ)、タヒニ(1/4カップ、または大さじ1のオリーヴ油と小さじ1のゴマ油を代用)しょう油(大さじ1)、レモン汁(1~2個分)、塩(適量)をフード・プロセッサーにかけるだけです。液体が足りなくてクリーム状にならないなら水を少しずつ足してみます。好みでレモンを多くしたり、脂肪が気にならない人はオリーヴ油を足しても良いでしょう。この基本の味に、パセリ、バジル、オレガノ、クミン、赤トウガラシなど好みの香辛料を選んで加えてください。甘い味が好きな人はローストした赤ピーマンを一個加えると色もきれいです。
*豆腐ディップ
豆腐の水気を良く切って練りカラシ、マヨネーズ(できれば自家製)、しょう油、塩、
みじん切りのパセリまたはシソ、好みでタバスコ、パプリカなどを加えて良くまぜ合
わせます。サンドイッチにも応用してください。
【昼食】
A外食する場合は肉や魚貝入りのサラダ(オイル/ヴィネガードレッシング)、野菜炒めなどを注文して白いパンや白米は残してください。おなかがすいた時のために全粒クラッカーを職場においておくと良いでしょう。
Bしめ鯖ときゅうりの和え物/お椀一杯のかけ蕎麦にトリのササミとクレソンをのせる。 しめ鯖を5ミリ厚さに切り、薄切りのキュウリまたは大根、せん切りショウガ少々と 和えます。しめ鯖の塩味を考慮して味をととのえ、たっぷりのせん切りサニーレタス をしいた皿に盛りつけて、好みで刻みシソを散らしたり、ごま油、レモン汁をかけてください。蕎麦はできるだけ小麦粉を混ぜていないものを選ぶこと。
C.全粒ピタ・パンのサンドイッチ弁当
ピタ・パンを半分に切ってポケットにマヨネーズまたはペスト(ハーヴとナッツでつくるイタリアのペースト)、ハマス、豆腐ディップなどをぬり、チキン、ハム、チーズなど好きなものを詰め込みます。別の器にサニー・レタス、クレソン、トマト、アルファルファなどを入れて持参し、食べる時に野菜をピタ・パンに詰めます。ファースト・ フードの安いハンバーガーを買って、肉だけ持参の野菜入りピタ・パンに入れるのも一案。そのばあい、ローストした赤ピーマンを一緒に詰めるとケチャップの代用になります。
D.カニとアボカードのヨーグルト和え/全粒パンのハーヴ・バタートースト
自家製ヨーグルト(大さじ3)に刻みパセリまたはディル、レモン汁(大さじ1)を加えて塩、コショウで味をととのえます。ヨーグルトの酸味が口に合わない人は、リンゴを1/4個加えるか、果糖を小さじ1/4杯足してください。キュウリ半本、アボカー ド半個、カニの身半カップ(缶詰でも良い)を混ぜ合わせます。
【スナック】
A.くだもの/ヨーグルト/乾燥アプリコット(少量)
B.チーズと全粒クラッカーにのりを巻いたもの/セロリと豆腐ディップ
C.青菜としいたけのキッシュ
堅くなった全粒パンは冷凍庫に保存しておき、まとめてフード・プロセッサーでパン粉にしておくと便利です。大さじ4杯のバターを室温で柔らかくしておき、1カップ半のパン粉と混ぜ合わせ、パイ皿に指でよく押し付けながら広げます。卵一個につき50ccのミルクまたは水を混ぜ、炒めた青菜、しいたけ、赤ピーマンと和えて塩味を ととのえます。粉チーズまたはスイス・チーズのスライスを半量加えて、パイ皿に流しこみ、残りのチーズを上からかけて180℃のオーヴンで20分ほど焼いてください。小さく切って冷蔵庫か冷凍庫に保存し、食べる時にマイクロウエーヴ・オーヴンで温めます。
【夕食】
A. 帰宅してから料理する時間のない人は、焼き魚、やきとりの白焼き、刺身など、たんぱく質食材だけはデパートの食品売り場や近所のお惣菜屋のものを活用すると便利でしょう。その分野菜料理に手をかけた方が効率が良いと思います。
玄米と大豆の炊きこみご飯/ローマン・レタスのバター炒め。
前日に玄米(2カップ)をとぎ、水にもどしたしいたけ、切り昆布、だし汁(チキン・ストックでも良い)塩、しょう油を入れて水加減をととのえ(3カップ前後、しいたけのもどし汁も加える)、冷蔵庫に入れておきます。帰宅してから電気釜で炊き、スイッチが切れた時に大豆の水煮(市販のものを常備しておくか時間のあるときにまとめて煮て冷凍しておく)と冷凍グリーンピースをそれぞれ1カップずつ加えます。好みでごま油大さじ1杯を足しても良いでしょう。冷凍豆は朝、冷蔵庫に移して解凍してしておくか、マイクロウエーヴ・オーヴンで解凍します。翌日はこの豆ご飯の残りにカリフラワー、ブロッコリー、サヤインゲンなどを加えて実沢山のチャーハンにしてください。
B.酒蒸しトリ胸肉とアボカードのわさびソース味/全粒エンジェル・ヘア・スパゲティ の梅酢ドレッシング和え/茹でモヤシと青菜のナムル
*わさび・ソース
練りワサビ、しょう油、レモン汁、マヨネーズを和える。蒸しトリとアボカードを
刺身風にスライスして皿に盛り付け、ソースをかけるか小皿に入れて供する。
*梅酢ドレッシング
梅肉(大きな梅干一個分)、オリーヴ油(小さじ1~2)、刻みシソをよく混ぜ合わ
せて熱々のスパゲティ(茹でた量で1膳分位)にからめる
C.白身魚のアルミ・ホイル焼き/豆のマリネ/グリーン・サラダ
アルミホイルに塩・コショウした魚の切り身を並べ、上に刻んだ赤ピーマン、アサツキ、レモンの輪切りをのせてブロイラーで焼く
*豆のマリネ
柔らかく水煮した大豆、(インゲン豆、ヒヨコ豆などを加えても良い)を熱々のうちに
刻みニンニク、パセリ、カラシ少々、レモン汁、塩、コショウ、オリーヴ油に漬けこみ
室温で冷ましてから小さく刻んだセロリ、赤ピーマン、アサツキ、きゅうりなどを混
ぜ合わせます。野菜を入れる前の状態で冷蔵庫に保存(1,2週間はもつ)しておくと
便利です。食べる時に温めて温サラダにしても良いし、ワイルド・ライスを混ぜても
いいでしょう。
* **乳製品が食べられない人は豆乳製品に変えてください。
* **大豆は発芽させてから調理すると消化しやすくなります。
* **市販の加工品を利用するときは、原材料表示を良く研究してください。
* **くだものの甘味を利用してつくる穀粒入りのマフィンなども少量ならスナックとして食べられます。
*「シュガーバスター」のウエブサイト http://www.sugarbusters.com/
著者へのインタビュー、実践者の体験談などがあります。ここからのリンクとし てリック・メンドーサ氏の糖尿病およびグリセミック・インデックスに関する膨大なウエブ・サイトに行くことができます。
*シュガーバスター実践者フォラム「SWEETALK」 mailto:majordomo@communique.net このフォラムを購読するには「subscribe sweetalk」と書いて上記のアドレスにメールします。1日平均30から50通のメールが舞い込みます。
* シュガーバスター実践者のレシピ掲示板サイト
http://www.sugarbusters.com/sbfiles/webrecipe.html
http://www.fortunecity.com/littleitaly//siena/159
*グリセミック・インデックスについて
Rick Mendosa氏のグリセミック・インデックス・サイト。G.I.についての説明、G.I.研究の文献、300種類の食材のG.I.リストへのリンクほか、関連サイトへのリンクが掲載されています。 http://www.mendosa.com/gi.htm
「The G.I. Factor; the Glycemic Index
Solution」
著者 Jennie Brand Miller, Anthony
Leeds 1998年
出版社 Hodder & Stoughton, Hodder Headline
Plc
英国版 ISBN0340696222
オーストラリア版 ISBN0733608450
この本とポケット版ガイド・ブックのサイト http://www.mendosa.com/sources.htm
「The Glucos Revolution; Authoritative Guide
to the Glycemic Index」
著者 Jennie Brand Miller, Kaye
Foster-Powell, Thomas Wolever
出版社 Marlowe & Company
* 「Sugar Busters Shoppers Guide」
出版社 Balentine Books ISBN0-345-43534
「シュガーバスター」の著者による食材ショッピングのためのガイド書。ブランド名などの情報ですから日本ではあまり役に立たないでしょう が、食品店経営者の方には参考になるかと思います。
* 全粒の穀物、パスタ、豆類などのメール・オーダー
Bob's Red Mill http://www.bobsredmill.com/
* 実践者が愛用している料理書
「Sugarfree New Orleans; A cook book Based
on the Glycemic Index」
「Sugarfree;
Quick and Easy」
著者 Deanie Comeaux Bahan
出版社 AMF Publishing (888)607-4002
著者のウエブ・サイト http://www.sugarfreekitchen.com/
「Montignac Recipes and Menus」
「Montignac ProvencalCook book」 ISBN2906236845
著者 Michel Montignac
出版者 Montignac Publishing U.K.Ltd
上記の本はインターネットの書店、アマゾンやバーンズ・アンド・ノーブルで注文することができます。http://www.amazon.com/、またはhttp://www.barnsandnoble.com/
* 日本で出版されている本の中で、考え方の細部は異なっても、血糖値とインスリンに着目している点で共通している健康・食事の本に掲載されているレシピ、また実践者グループの食材入手ネットワークも参考になると思います。
「世にも美しいダイエット」
「世にも美しいダイエット・メニュー」
「世にも美しいダイエット・カラダ革命」 宮本美智子著 講談社
「世にも美しいダイエット 青菜ブック」 永沢まこと・青菜倶楽部著 講談社
「食事革命4・3・3ダイエット」 バリー・シアーズ著、廣谷光一郎監訳 三陽社
「4・3・3・ダイエット 体脂肪が燃える実践者メニュー」日米4・3・3ダイエット・リサーチ・アソシエーション著 ごま書房