桜記念日
・・・まだ少し夜が寒い季節。
まだ、遅くまで起きてちゃいけない時代のお話・・・
私と耕ちゃんは、お花見をしようとした。
だけど、それをおじいちゃんに話したら「今時分はまだ寒いから駄目だ」って、言われて・・
でも、耕ちゃんが居るのは、もうちょっとだけだから、
一緒にお花見したいなぁ・・・って思って、
2人だけで、バレないように桜の花の咲く路地で・・・
お小遣いを出し合って、
こっそりと買ったお菓子を食べたり、ジュースを飲んだり・・
とっても、楽しかった。
途中で、耕ちゃんのお母さんに見つかっちゃって、怒られちゃったけど。
でも、すごく楽しかった。
また、やりたいなぁ・・・・
「あれ?愛おねえちゃん、どうしたの?」
懐かしげに昔の日記を見ていた私に、知佳ちゃんが声をかけてきた。
「あ、うん、ちょっと、懐かしくなって・・」
知佳ちゃんに、日記を見せる。
「あ、日記・・へぇ・・・ちょっと、見てもいい?」
顔を近づけてくる知佳ちゃん。うぅ、可愛い・・
「うふふ・・子供の頃のだから、ちょっと恥ずかしいけれど・・」
そう言って、知佳ちゃんに見えるように、広げた。
日記を見せてもらって、一言。
「へぇ・・・愛おねえちゃんって、ずっと前からおにいちゃんと仲良かったんだぁ・・・」
「従兄妹ですから♪」
あ、ちょっと嬉しそう。
でも、なんか、昔から続いてる関係って、ちょっとあこがれるなぁ・・
「あ、そうだ・・」
日記の最後に「また、やりたい」って書いてあったんだから・・
「?」
私は、愛おねえちゃんに一つの提案を出したのです♪
「へぇ、それでそれで?」
キッチンで、ゆうひちゃんとまゆお姉ちゃんに「計画」の内容を言う私。
「なるほど〜、ええ作戦やん。ウチはのったよ。」
「酒飲む口実になるな・・うむ、いいだろ。」
2人とも理解してくれて嬉しい♪
うぅ、知佳ぼー感激だよ・・(涙)
「それじゃあ、ゆうひちゃんとお姉ちゃんには、何か、お花見を賑わかすような物を買ってきて欲しいんだけど・・」
丁度、駅前に買い物に良くって言ってたから、ついでに・・
「おっけー、まかせとき!うー・・芸人の血が騒ぐわぁ♪」
ゆうひちゃん、音大生・・・(汗)
「それじゃ、そういう事で、よろしくね♪」
「んー、知佳は何やるんだ?」
煙草をくわえて、お姉ちゃんが聞いてくる。
「私は、おにいちゃんのお手伝いしよっかなぁ・・なんて。」
料理なら、少しはできるし・・
「あはは、そんなら、ついでに、知佳ちゃんに頼みたいんけど・・」
笑顔でゆうひちゃんが言う。
「知佳ちゃんのパソについてる音楽の奴、あるやん?
あれで、カラオケみたいな事、できそうやん、だから、頼むわ♪」
全然ついでじゃないし・・
あぅ・・結構めんどいのに・・
「う、うん、頑張る・・」
「頼んだで〜♪」
うぅ・・ゆうひちゃん、はりきってるなぁ・・
私も、頑張らないと・・
(続く)
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