物理教室

現在の理科教育の欠点

現在の理科教育では「まだわかっていない事」を明確に教えていない所に、結構おおきな欠陥があるようにも思えるんだ。
あるサイトのBBSで、ある人が言っていたのは「理科なんかは考えずに丸暗記したほうが良い点をとれるよ」って言っていたのが
印象的だった。
子供たちは、結構色々な事に疑問を持つもので、大人になると考えなくなるようなものにまで疑問を持っているんだよね。
だから理科は結構子供達は好きなんだけど、現在人類がまだ理解していないような問題を子供が「考え始めて」しまったら
とても時間がかかって、その上それが気になって先に進めなくなったりする事は充分考えられることだろう。
私もこのあいだメールで高校生から「ボイルシャルルの法則」を質問されたのだけれども、やっぱり「まだ解っていない事」を
悩んでいたので「これと、これは、原因がまだわかっていないけど、この様に考えると現実とよく一致する、というので、法則に
なるんだよ」って教えたら、あとからお礼のメールが来て「おかげで良い点がとれました」って来たんだ(^^V

 だから、先生はもっともっと「まだわかっていない事」をキチンと教えるべきだろうし、質問されたら「威厳」を気にせず
はっきりと「それはまだ人類が理解していない」と教えるべきで「うやむや」な説明だけは避けて欲しいと思うんだ。
その方が子供達も「よし!自分がいっぱい勉強してその難問を解決してやろう!」と勉強にも張り合いが出来るのでは
ないだろうか?

万有引力

わかっていない物の代表には「万有引力」が上げられるだろう。「質量と質量が互いに引っ張り合う」と言うのが「万有引力」
なんだけど、この万有引力の法則で、惑星の運動もほぼ完璧に理解されたし(ほぼと言うのは水星の運動はその後の相対性理論
が出てきて始めて完璧になった)現在では人工衛星の軌道計算にもかかせないとても実用性のあるものなんだ。
だから誰もが知っているのに、実は「じゃ何故質量同士は引き合うのか?となると、まったく解っていない。(;^^A
まぁ幾つもの仮説は存在しているんだが、中でも一番有力なのは量子力学から出てきてる「グラビトンという量子を互いに
投げ合っているから」という奴なんだけど、まだ「グラビトン」は発見されていない。そのほかにも珍妙な仮説から、もっとも
らしものまで、結構出てはいるが、どれ一つ決定的なものはないんだ。
本当にこれは奇妙なものだ・・・・・・・・なんでだ〜〜〜っ!!

質量

「質量」というのは、物理の独特の言葉かもしれない。これは「重さ」と関係あるものなのだけど「重さ」とは少しだけ違いが
あるんだ。でも単位は g(グラム)又は kg(キログラム)だから重量と混同しやすい。実はこの「質量」もよく考えると
結構不思議なものなのだが、それは後からまたお話しよう。
例えばここに「1kg」の物質があったとしよう。まぁ鉄の塊でも、綿でもなんでも良い。この1kgの物は月に持って行くと約1/6
に減って軽くなってしまう。さらに無重力(これも後から説明)になると重さが0(ゼロ)になってしまう。
でも元々の本質的なものというか「本的なある」は変わっていないはずだ。・・・・・・だよね。
ということで、どんな所に持って行っても地球上で「重さ(重量)」として現れる「本的な」の事を質量と呼ぶんだ。

ニュートン

ニュートンがリンゴが落ちるのを見て万有引力を発見した、という事は結構有名な話。
でも、ニュートンはその時までリンゴが落ちるのを知らなかったのだろうか?んなわきゃないだろう♪
リンゴに限らず物が落ちるのは知っていたはずだ・・・・・では何故リンゴ?・・・・んなのものもはやニュートンに聞いてみる
わけにもいかないので、わかるはずがないだろう。ではリンゴの落ちるのを知って、彼はどう考えたのだろうか?
勿論私とて、ニュートンに直接聞いたわけでもないので、信憑性は問わない事にしよう。
しかし天才の思考の軌跡をたどる事は我々が「考える」という事、を考える上に大きなヒントがあるかも
知れない。そこで、彼の考えた事(こう考えたと言い伝えられてる事)を見てみましょう。

彼は「リンゴは木から離れると地面に落ちる」「ではもっと高い所からだったら、どうだろう?」と考えたんだ。で
「もっと高くてもきっと落ちてくるに違いない」「でも、もっと、もっともっと・・・・ズート高かったらどうなんだろう?」
「やっぱり、落ちてくるのかなぁ??」「だとしたら、何故月は落ちてこないのだろう?」と考えたのです。
我々凡人だったら「きっと、地面からう〜んと離れた所に、落ちる所と、落ちない境界線のようなものがあるんだよ」
位にしか考えられないかも知れません。しかし彼は天才だったのです。ここでヒラメイタッ!!!

「そうか、月も落ち続けているんだっ!!!」
すごい!すごすぎる・・・・・

「だから、すべての物質はお互いに引っ張りあってるんだ!!」ということで「すべての物・物はき合うしてる」
という事で「万有引力」なわけです。でもここで凡人は尚「えっ?!落ち続けてるって?どういう事?」という疑問から離れられないでしょう
まぁそれには、それなりの予備知識が必要なので、これから御説明いたしましょう。

自由落下1

何かの物質を落としたとします。例えば橋の上から小石を落としたとしましょう。そうすると小石は地球に引っ張られて落ちます。
この時の運動を「自由落下」といいます。しかし紙を落とすと、小石の時より落ち方が遅いかも知れません。昔・・・そう
ガリレオより昔は現在でいう所の「物理」の分野を「形而下学」と読んで哲学のことを「形而上学」と呼んでいました。それは
頭で考えることこそが尊い事という意味で「実験」なんて事は下等な事だと思っていたのです。そしてアリストテルスが「形而下学」
の体型を作っていました、それは有名な「天動説」を含んでいるものでした。この中で自由落下にも言及していたのでしたが
「物質にはその重さに応じた居場所が決まっていて、重いものほどその居場所が下のほう(地球の中心に近い)で軽いものほど
居場所が上の方だ」という前提がありました。そして「物質はその居場所に向かう時間が同じなので、重いものほど早く落ち
軽いものほど遅く落ちるのだ」と言われていました。
この定理には実は矛盾が含まれていたのです。それは「重いものと軽いものを結びつけて落としたら、どうなるのか?」という
問題でした。重いものと軽いものにはそれぞれ固有の速度があるのなら、結びつければその中間の速度になるのではないか?
いや、重いものと軽いものを結びつけたら重いものよりもっと重くなるのだから、重いものより早くなるのではないか?というものです。
当然「形而下学」ですから「それほど重要な問題ではない」と言う事で誰も実験などはしませんでした。

ガリレオがピサの斜塔から重いものと軽いものを落下させて始めて実験をして、重いものも軽いものも、まったく同じように
落下する、と言う事を確認したのでした。もっともこのピサの斜塔の逸話は後世の作り話だ、という説もありますので、信憑性は
少ないかもしれません。しかし彼の遺品のなかに、斜面と鉄の玉などがあって、実験はしていた事は事実のようです。

それでは何故小石と紙では落ちる速度が違うのでしょうか?
それは空気の抵抗が原因していました。現在の高校の実験器具の中に、直径が10cm位のガラスの管の中に鉄と鳥の羽の
入ったものがあります。これは自由落下の実験道具です。ガラス管のなかの空気を真空ポンプですっかり抜いて中を真空に
してから鉄片と鳥の羽を同時に落とすと、見事にいっしょに落ちていきます。これを実際に見た人は、チョットしたカルチャー
ショックを受けるのです。本当に鉄片と鳥の羽が同時に落ちていくのです!!

自由落下2

話を小石を落とす所に戻しましょう。小石を手にもって橋の欄干からつきだし、そっと離します。そうすると小石はだんだん
速度をあげて落ちて行きます。すなわち加速するのですね。この加速度は地球上では9.8m/sec・sec(メートル・毎秒・毎秒)
又は980cm/sec・secと決まっています。これは一秒間に9・8m/秒ずつ速度が上がっていくと言う意味です。
時にこの小石を下に向かって思いっきり投げ下げた時には「自由落下」とはいわないのか?と思いますが、これも立派に
自由落下なのです。すなわち物質に引力以外の力が働いていない運動をすべて「自由落下」と呼びます。と言う事は
投げ上げても同じ事です。投げ上げると小石はだんだん速度が遅くなり頂点に達すると一旦速度が止まり、それから落下
し始めます。上に上がっている時は見た目には「上昇」していますが、物理ではこれも「自由落下」と呼びます。ちなみに
加速というのも減速していても「加速」と呼びます、減速は「マイナスの加速」という意味で、上昇中も下向きの加速度(進行方向と
反対の加速)は変わらないわけです。

速度と速さ

ここで物理で使ってる用語の「速度」と「速さ」の違いを少しお話しておく必要があります。
私達は地球というとてつもなく大きな物質の上で生活していますので、感覚的に「地球は止まっている」と感じています。
ですから他だ単に「速度」といえば、地球との相対速度を指しています。ところが速度というのを良く考えてみると、やっぱり
なにか基準がないと言えない事に気がつくはずです。例えば、な〜〜んにも回りにない宇宙の真っ只中、星すらもみえなかったら
自分は動いているのか、止まっているのかすら解らないのです。そこえ何かの物体が通りすぎれば、その物体が動いているように
感じるでしょう。しかしもしかしたら、その物体が止まっていて、自分が動いているのかも知れません。これを知る方法はないのです
 と言う事で、「速度はあくまでも相対的なものだ」といえるのです。
「それじゃぁ、地球が止まっていて太陽が地球の周りを回っている」っていってもいいんじゃないだろうか?と疑問に思う人もいるかも
しれません。しかし「そういうわけにはいかない」のです。というのも「相対的」といってもそれはあくまでも「等速直線運動」に限られて
いるのです。太陽と地球の場合は円運動な為に相対的とは言えないのです。ちなみに厳密なことを言えば「太陽の周りを地球が
回っている」のではありません。・・・・・・「えっ?!」って思う人もいるかもしれませんね(^^V
太陽と地球の重心を中心にして太陽も地球も回っているのです。しかし太陽の質量が地球の質量より馬鹿馬鹿しく大きいので
重心はほとんど太陽の中心近くにあります。だから「太陽の周りを地球が回っている」といってもほとんど正解です。
 ん?・・・・・って事は「月も地球の周りを回っているわけじゃないの?」と思った方はピンポ〜ン・・・・正解です(^^V
地球と月の重心を中心に月も地球も回っているのです。月の引力で潮の満ち引きがあると教わっていると、思いますが、その時
月の反対側も満ち潮になるのを不思議に思った人はいませんか?あれは実は「遠心力」なんです。重心の周りを回っていると
言う事を知らないと、あれは説明できません。

話が横道にそれちゃったので、もとに戻します。ある質量を持った物体が同じ速さで直線運動をしていると、対象物がないかぎり
動いているのか止まっているのか解りません。難しい言葉でいうと「等速直線運動をしている系のなかでの物理法則は同等である」
と言いますが、これを「ガリレオの相対性理論」と言います。地球は自転と公転をしていますから、等速直線運動ではありません。
ですから地上では「遠心力(これは重力とほぼ同じ方向なのであまり問題にはされません)と「コリオリの力」(後で説明)という等速直線
運動をしている物にはない力が存在します。

そして「速度」というのは速さと方向の二つの量を指定して速度と言います。ですから「等速度運動」といえば方向も一定という意味で
等速直線運動の事をいいます。すなわち同じ速さで円運動をしている物体は「等速度運動」とは言いません「等速円運動」となります
「度」が付くかつかないかで意味が違っちゃうんですね。
ちなみに等速度運動をしている物体は「外から力が加わらない限り同じ速度で等速度運動を続けます」これを「慣性の法則」といいます。
例えば、重力の影響をまったく受けない宇宙の真っ只中に浮かんでいたとします。そこから何かを投げたとすると、その物質は、
真っ直ぐに飛んでいくのです。地上ではなにか投げると放物線を描いて地上に落ちるので、なんとなく感覚は投げたものは放物線
を描いて落ちて行くような感覚がありますが、宇宙の真中では、けっして放物線状には運動しないわけです。っていうかぁ
上と下という概念もないわけですから「落ちる」というものもないんですよね。

自由落下3

さて、ほぼ準備が整ったので「落ち続けている」という話に戻しましょう。
地球上でなにかの物体を投げると放物線を描いて落ちていくのはほとんどの人が知っています。これも「自由落下」なのです。
しかし実際には空気の抵抗があるために、厳密には放物線ではありません。ちょっと話を横道にそらしますと、ゴルフボール
は表面に沢山の窪みがある事は知っていると思いますがこれは、空気の抵抗というより回転によって生じた空気の渦を利用して
浮力をつけるためにあるのです。ですから、もしゴルフボールの表面がツルツルだったらボールはあんまり飛びません、そしてより
放物線に近くなります。同じような事が野球のボールでも言えます。直球というのは縦方向に回転をつける(?ついてしまう)事に
よって、浮力が生じて、かなり真っ直ぐな感じで投手から捕手まで飛ぶわけですが、例えば「フォークボール」というのは、あえて
回転がつかないような投げ方をすることにより、より放物線に近くなり、打者の手元であたかも急に落ちるような軌跡を描くのです。
また回転の遅いボールは打っても回転があまりないので、あまり飛ばなかったりします。逆にいえば回転の速いボールほどヒット
すれば、より遠くにまで飛ぶのです。

まぁこの話はこの位にして水平方向に投げ出された物体を見ていきましょう。ここでは「考える」だけですので、とりあえず空気の
抵抗を無視してお話を進めていきます。投げ出すのに人間が投げても、なんらかの機械でなげてもかまいません。とにかく
最初になんらかの速度を持っていて、その後は重力以外の力はなにもかからないとします。だからロケットのような、たえず
推進力を持っているものは考えません。そうやって最初になんらかの速度(初速)を持っている物質は地球上では放物線を
描いて落下します。では初速がもっと大きかったらどうでしょう?そう大砲の弾のようなとてつもなく初速の大きなものでも
より遠くに落下するというだけでやはり放物線を描くでしょう。実際にはそれ以上早い初速をいっぺんにつけようとして火薬の量を
増やしても、砲弾が粉々になっちゃうので無理かもしれません。そこで、頭の中だけでもっと早く、というかもっと遠くにとばして
地球の丸みが関係する位ものすごい初速を考えてみましょう。そう日本からアメリカにとどく位に・・・・・・・
そうすると、これは放物線ですか?・・・・・・やや・・・・・もう放物線じゃないぞ・・・・・・どっちかというと円に近いかな?
よ〜し、もっと早くしてみよう・・・・・・地球を一周するくらい・・・・・・そうか・・・・・物体は落ちよう、落ちようとしているのに地面の方が
逃げていっちゃう感じだなぁ・・・・・・

そうこれが「落ちつづけているという事なのです。そして地面すれすれに地球を一回りする様な初速を「第一宇宙速度」といいます
これは後ほどまた出てきますので憶えておいてください。勿論地球を一回り出きれば、そのまま同じ速さで周り続けられるわけです
地上に近ければ近いほど重力が大きいので早い速度が必要です。地上から離れれば離れるほど重力は小さくなるので遅くても
かまわないわけです。衛星は月も含めて回転方向は地球の自転と同じ方向です。ですから比較的地上に近いスペースシャトル
は西から出てきて東に沈みます。それは地球の自転より早い速さが必要だからです。そこで、もう少し遠くなってくるとだんだん
遅くなって地球の自転と同じ速さ・・・・速さというのは正確ではないですね同じ回転速度とでもいいましょうか・・・同じ回転速度を
持った時、地上では同じ所にいつも居るように見えるわけです。これが静止衛星ですね。ですから静止衛星より近い衛星は
西からでて、東に沈み、静止衛星より遠い衛星は月も含めて東から昇って西に沈みます。

無重力状態

「無重力」というのは少なくとも地球近辺ではありません。重力の影響はかなり遠くまであるので、厳密に言えば星が見える限り
ないといえるでしょう。では我々が「無重力」と呼んでいるものはなんなんでしょう。これは「無重力状態」と言います。ほとんど
無重力と同じ状態が作り出されるのです。この無重力状態を考えるには「自由落下」が基本になります。
 例えばガラスのコップに水を入れて崖から落っこちたとしましょう。う〜〜考えると怖いから下には充分なクッションが用意されていて
着地は絶対安全って事にしましょう。コップのほかに適当に自分の好きなものも一緒に落っこちて見ましょうか。そうすると、落っこちる
速さは質量に関係ないのだから、みんな一緒に落っこちるわけです。そこでコップをすっと下げると、水は目の前で丸くなって一緒に
落ちるでしょう。もっとも空気の抵抗がないと仮定しているので、あくまでも想像です。そうだっ!☆家ごと落っこちましょうか?
そうすれば家の中は無重力状態(^^V
 それと同じ実験があります。ジェット機で上昇します。そしてエンジンを切ります。そのあとはしばらくは上昇しますが「自由落下」
になるのです。しばらくして頂点に達して降下始めます。中ではまったく同じ「落っこち続けてる状態」ですから、しばらくは「無重力状態」
を体験出きるのです。そのまま地球に激突してはなんにもなりませんから、安全ぎりぎりの所で機首を上げて正常飛行にもどしましょう
もっとも空気の抵抗は無視出来ませんから、充分計算された、正確な自由落下軌道を取るためにエンジンは切るわけにはいかないかも
しれませんね。でもこれで、地上で無重力状態を作り出す事ができるのです。
 人工衛星はスペースシャトルも含めて、地球を周回しているうちは「落っこち続けている」から、当然無重力状態です。

場(ば)

 物理の中で、とても大事な概念が場(ば)という概念です。20世紀になってから、相対性理論や量子力学が現れて、それまでの物理を
古典力学(又は古典物理)と呼びます。古典といっても使い物にならない前世紀の遺物みたいな意味ではありません。それどころか、まだまだ
というか、これからも物理の基礎として大切な理論である事に違いはありません。相対性理論や量子力学は古典力学が適用出来ないような
特殊な状態への物理の新しいアプローチとでもいましょうか。いずれにしてもただ単に分類上の名前にすぎません。
 前置きが長くなってしまいましたが、古典力学では「場」は重力場、電場、磁場の三種類だけでした。この「場」という言葉は英語の「Field」
の訳なので、昔は「界」とも言われていましたので、時々電界、磁界と呼ぶ人もいます。最近では「場」に統一しようと言う事ですが、それほど
重要な問題ではないと思います。量子力学についてはのちほど又お話する事になると思いますが、核力場というのが2種類あって、電場、磁場
を一つのものとみなし「電磁場」といいます。そこで、重力場、電磁場、弱い相互作用の核力場、強い相互作用の核力場、の4種類になります
いずれにしても、そんなに多くないと言う事です。

 さて「場」そのものについて重力場を例にとって考えてみましょう。質量と質量はお互いに引っ張りあっているのですがお互いの空間には
なんら物質が存在していないわけです。何故引っ張り合っているのかはわかっていないわけですが、どんな力で引っ張り合っているのかは
実験や観測のデータから割り出されているのですから、たしかに「引っ張り合う力」が存在しているわけです。そこで、一つの物質だけに
注目してみましょう。まぁ周囲になんにもない宇宙空間の真中に小石がひとつポツンと浮いているような姿を思い浮かべてみましょう。
そうすると、この小石の周りどこにでも、何か質量のあるものを持ってくれば、「引っ張りあう」わけですから、周りになんにもない状態でも
周囲の空間すべてに、「質量を持ってくれば力が生じる、何か、が存在している」とみなすわけです。この「何か」のことを「場」と呼ぶのです。
電場の場合はプラスとプラス、マイナスとマイナスは反発する力があり、プラスとマイナスには引き合う力が生じるのです。ですからプラスの
電荷の周りにはプラスの電場が、マイナスの電荷の周りにはマイナスの電場が存在している、と考えるわけです。ですからこのような「場」
というのは、目にも見えないし触ることも出来ないし、ただ観念的に「ある」としたほうがつじつまが合う、というものです。これらの「場」は例えば
質量を持ってくれば、重力場の存在が、電荷を持ってくれば電場の存在が、磁石(磁荷)を持ってくれば磁場の存在が確認出きるというものな
のです。ちなみに、磁場に関しては紙の下に磁石を置いて紙の上に砂鉄を撒く事によって、磁場の形がなんとなく見えたりもします。しかし
量的なものは何も見えないのです。核力場を除けば場の量的なものは近くにあればあるほど大きくなり、遠くに行くにしたがって、小さく
なります。ほぼ距離の2乗に反比例します。

例えば太陽の重力場について考えてみましょう。海王星とか冥王星も太陽の重力場の影響を受けているわけだから、かなり遠くまで
あることがわかりますよね。さらに彗星について考えて見ましょう。地球から見るとはるか遠くに行ってしまう彗星もやがて、戻ってくる
のですから、相当遠くまで太陽の重力場が存在して居る事が理解出来ると思います。
ちなみに、彗星もある一定の速度以上になると、一回こっきりで、戻って来ないものもあります。それは地球からある速度以上で宇宙
に飛び出せば、というか、ある速度以上にならないと、太陽の重力圏から脱出できない、と言う事ですよね。この時に必要な速度を
第2宇宙速度」といいます。

重力場は電場や磁場に比べるとかなり小さいものです。「万有」ですから、地上のあらゆるもの同士が引き合っているのですが、地球との
引力が大きいので、ほとんど、というかまったくと言っても良いぐらい観測する事は出来ません。とても厳密に計画された実験で、かろうじて
その存在が確認出来るくらいです。一方電磁場は皆さんもご存知のように、電場ならプラスチックをこすってちっちゃな紙等を引きつけ
られるとか、簡単にその存在が確認できます。また磁場にいたっては磁石がかなり大きな力を作るのを見る事ができるでしょう。
しかし、電場も磁場も正、負がほぼ一対になって居るために、大きくなればなるほど、互いにキャンセルしてその影響は小さくなります。
逆に重力場は負がない為に大きくなればなるほど加算されて、その影響は大きくなるのです。それは分子や原子を考える時は重力場は
ほとんど無視しても良いし、逆に宇宙を考える時には電磁場は無視されて、重力場だけを考える事になるという事です。

反重力

 ここでちょっと脇道にそれて、SFとか、UFOの話しに出てくる「反重力」というものについて考えてみましょう。電荷ではプラスとプラス
又は、マイナスとマイナスが反発して、互いに反対方向の力が生じます。また磁石でもNとN又はSとSは反発します。そんなところから
反重力という発想がでたのだとは思いますが、重力の場合は同じ質量同士が・・・言ってみれば同符号同士が引っ張り会っているわけ
ですから、反発する質量(反重力)というのはとても考えにくい話なわけです。結論からいいますと反重力は99.999と9を10個くらい
付けたパーセントで存在しないと言えるでしょう。
 よくUFOが空中に浮いているのは反重力だと言っているのを見かけますが。ちょっと考えてください。地球はものすごいスピードで
自転しています(一日で世界を一周してしまうのです)公転はさらにすごいスピードなわけです。と言う事は空中に浮かんでいる為には
むしろ地球にへばりついていないといけないわけですよね。という事は反重力なるものが存在していたとしたら、地球とのかかわりが
なくなってしまうので、あっというまに地球に弾き飛ばされてしまう事になってしまうのです。ですからもし反重力があったとしたら、こんどは
地球にへばりつく為の違った力を考えなければ空中に浮いているなんて芸当はできなくなってしまうと言う事なんです。

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ここからは、掲示板での話を
まとめたものなので、番号とか
日付を参照して見てください。
尚話がダブッテいる所もあります。

 

 

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