“家”という言葉は、日本人の語感では家父長制度の“家”をイメージしてしまうかもしれませんが、ここでは“home”の和訳として使っているだけですのであしからず。誤解を避けるために“カセイ人”と、カタカナで表記します。英語のhomeというのは、建物としてのhouseと違って、そこに人が住んでいるイメージ、つまり家庭のことです。そして、オズの魔法使いでドロシーが「There’s no place like home」というように、“いつもそこに帰って行きたくなるところ”というイメージもあります。実際に生まれ育った“home”でなくても、心が回帰するところ、という意味で使われることもあります。 そういう、人が生きていく上でとても大切なモノを、常に忘れないようにしている人を“カセイ人”と呼ぶことにします。 つまり、カセイをするということは、ただ単に“家事をする”ということではなく、家族の心身の健康を常に優先させてさまざまな選択をしていく、と解釈してほしいと思います。 そういう選択をした結果は、個々の家庭でさまざまな形を取ると思いますが、ここでは従来の固定的な男女の役割分担を見直そうとしているわけですから、もとは男だったカセイ人の役割について多くを語ることになるとなると思います。