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交付税のもらいかた。
交付税の検収に行ってきた
またまた交付税の話題で申し訳ないが、先日、初めて地方交付税の本算定と検収を経験したので、その感想を書かないわけにはいかないだろう。
詳しいスケジュールについては次ページをごらんいただきたいが、特に本算定の説明会以降のスケジュールは“バタバタ”である。岐阜県の場合、7月3日の算定説明会(10:30〜)に出席するため、朝は7:45岐阜羽島駅発のひかり号に乗った。説明会後は直ちにとって返し、同日16時には県庁で算定作業に突入、25時前には何とか算出資料が完成した。日程がタイトであるため、どうやら他県もほぼ岐阜県と同様の動きをしているらしい(今年は速報報告まで丸2日あるが、例年はもっとタイトだそうである)。資料を確認すると同時に出席者の一人が席を立つ県もあり、どの県も時間的に全く余裕がないことがわかる。
正直に言うと、算出資料を作るだけなら、実は大した手間ではない。現に当日中に完成しているのだから。時間がかかるのは、交付基準額が出た後の分析作業である。昨年と比べて、需要額が増えた要因だとか、収入額が増えた理由、寒冷補正の影響、全国的に見た岐阜県の位置などなどについて分析する。
しかし、ま、どうでもよいが、この交付税額の算定ってのは、一体何のための作業なんだろう、と思わざるを得ない。実を言うと、各県の交付基準額がいくらになるかを、算定説明会のときには既に総務省は把握しているのだ。基礎数値は既に報告済みなので、後は機械的に算式にこの数字を当てはめるだけなのだ。各県に持ち帰って行う算出作業は、この総務省把握数値にミスがないかどうかの確認作業に等しい。(※1)
説明会や検収時の総務省担当者の発言から想像するに、「どんな数字が交付税に反映されているか」、「寒冷補正をしてもらえるおかげでこんなにも交付税が増えるのだ」というようなことを、各県担当者に実感させるために地道な算出作業を課しているように思える。
具体的な算出作業はこんな感じ。
例えば、道路橋りょう費の場合、算定の基礎数値は岐阜県内の道路面積(橋りょう面積を含む)である。交付税額の算定は、単純に言えば、この道路面積に「単位費用」(千uあたりの“標準的な”維持管理経費)をかけて算出する。
ただし、実際には道路の種別ごと(国道、県道、橋りょう)にかかる維持管理経費は異なってくる。例えば、橋と普通の道路との維持費が同じだと思う人はいないだろう。で、「種別補正」を行う。道路の種類に応じて算定の際の比重を変えるのである。また、道路の維持費は、他の要因でも変わる。例えば、雪の多い地方では除雪にかかる費用がかかるし、交通量が多い道路も維持補修費が多く必要だろう。……で、「密度補正」や「寒冷補正」を行い、最終的に、道路橋りょう費にかかる所要額を算出するわけである。
…と、書くと「ちょっと難しそう」と思うかもしれないが、計算式は算出資料にプリントされているから、実際の作業としては、算数のドリルよろしく空欄に基礎数値等を書き込んで答えを出すだけである。面倒くさいが難しくはない。
先にも書いたとおり、総務省がこの作業を各自治体に課している理由としては、「自分のもらうお金がどうやって作られたかくらいは把握しておけ」という意図を感じざるを得ない。
しかし、それにしても、基礎数値の報告に始まるすべての作業はFAX(紙ベース)で行っており、せめて様式だけでもメールでファイルを送っていただけると自治体としては助かるんだがなぁと思う。
そもそも東京に呼びつけて説明会を開いたり、検収をするってものも、どの程度意味があるのか、なんて思ってみたりもする。だって、わざわざ東京に行って、交付基準額が正しく算出されているかどうか読み合わせたり、当初の予算見積もりが適正かどうかを面接してみることにどれほどの意義があるのだろう。(※2)
実は、「検収」と名の付くものに行ったのは、これが初めてではない。昨年は「公共施設状況調査」の検収を受けた。そのときの感想は、VOL.30(H12.10月号)に書いたので、ここで同じことは書かないが、慣例よろしく自治体を「呼びつける」ことをそろそろやめてほしいなぁと思うわけである。
ちなみに、私が足を運んだ「公共施設状況調査」の検収は、今年から「書類の提出のみで足りる」ということになった。
※1:確認作業に等しい。
今年度について言えば、総務省が算出した数値と岐阜県が算出した数値が異なっていたので(岐阜県の数字が正しかった)、仮に単なる確認作業と言えど、ま、やらないよりはやる方がよいのかもしれない。
※2:どれほどの意義があるのだろう。
余談ながら、都道府県唯一の不交付団体である東京都も、基準財政需要額、収入額等を算出し、総務省の検収を受ける。担当者の方は何を思って作業を行っているのか、ちょっと感想を聞いてみたい気もする。
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