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合併は結構。
市町村合併協議会
ただいま、9月補正予算の真っ最中である。昨年の9月補正は、なんだか忙しかったような気がするが、今年はそうでもない。実際に余裕があるのか、当初予算編成を経験したことが今の状態を余裕と感じさせているのかは、はなはだ不分明ではあるが。
ところで、私が担当する地域県民部では、9月補正の目玉事業は合併協議会支援交付金である。市町村合併へ向けて具体的な準備段階に進んだ合併協議会に対して、財政的な支援を行う制度を創設しようというものである。
一言で「合併」と言うが、周辺市町村が地域の中核になっている市などに吸収されるかたちの合併と、市町村が対等なかたちで合併するものとの二種類があり、特に後者については、市町村の利害などでなかなか折り合いがつかず、国や都道府県が思っているほどには、進んでいないというのが実態ではないかと思う。ちなみに、岐阜県では直近の合併は昭和62年。ダムに沈むことになった徳山村(※)が藤橋村に編入されたものである。全国的には、今年5月に生まれたさいたま市がもっとも新しい。
当然のことだが、「じゃ、一緒になりましょう」と首長が握手をすれば合併が成る、というようなものではないので(企業の合併もそうだが)、一緒になる相手が決まったら合併に向けた各種施策の調整などが必要になる。読者の中には多分いないと思うが、世間には、国・都道府県・市町村は、一つの企業のようなもので、「出先機関」である市町村でやっていることは「どこも同じ」、なんてことを思っている人が少なからずいる。が、実際はずいぶん違う。例えば、三歳未満の乳幼児の医療費は全国一律に無料だが、岐阜県には、小学校入学まで無料になる町や中学卒業まで無料になる町などがあり、まちまちである。これら異なる施策をどうまとめていくか、新市町村の条例の作成など、諸々の合併準備を行うのが合併協議会なのである。
で、今回、制度が創設された後、その交付第一号となるのは、岐阜市の北部に隣接する山県郡である。高富町、伊自良村、美山町の二町一村が平成15年度の新市誕生に向け、先頃協議会を発足させた。具体的な事務を行う事務局のメンバーは7名である。意外と少ないなぁというのが最初の私の感想だが、ま、でも、あまりにたくさん職員がいても組織をデカくするばかりであまりよいことはないかもしれないな、と思い直した。
ところで、先ほど、合併はあまり進んでいない、というようなことを書いたが、しかし合併に向けた動きや合併につながる動きは各地にある。
例えば、一部事務組合や広域連合である。消防やゴミ処理など小さな町村一つでは費用がかかりすぎたり、ある程度のレベルを維持することが難しい事業については、以前から一部事務組合を作り、複数の自治体が共同して事業を行うことが広く行われていたし、最近では、権限移譲の受け皿となることができる広域連合を作ろうとする動きが活発である。岐阜県では既に8の広域連合があり、49の市町村(1市27町21村)が参画しているし、つい先日、来年4月の設立に向け動き出したところもある。
合併のメリットは、主には行財政の効率化が挙げられるが、町や村から市になったり、中核市になれたりすることにより、より多くの権限が国から移譲されてくることが大きいと思われる。より自治体の裁量が広がるのである。ということは、つまり、住民に近いところで住民サービスの「質」が決められるということである。
合併協議会が身近にできたことで、周辺市町村がざわざわと動き出した、という感じを受ける。これからの動きがちょっと楽しみ。
※:徳山村
現在建設中の徳山ダムに村の大部分が沈むため、廃村になり、隣接する藤橋村に編入された。岐阜市周辺には、徳山村から移り住んできた人たちの住宅地が点在している。
全村民の移転が完了した後も、夏期になると一部のお年寄りが自宅のあったところに戻って生活をしたり、移転先でも伝統的な元服式を行っているなど、ダムの賛否と合わせて、何かとメディアを賑わせている。
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