GURPSにおけるハイヒールの履物の、移動、容貌、性的魅力、戦闘、マンガ的用法、いくつかの他の技能における障害、を定義する追加ルールです。新技能と新動作が1つずつあります。




ハイヒールは着用者の身長、容貌、性的魅力を高めます。これによって、いくつかのタイプのGURPSキャラクターに好かれています。現実的にプレイするなら、ハイヒールを履くことで障害なしにはいられません。肯定的に見ると、現実世界でのハイヒールの利点はGURPS用語で記述できるということです。読んで、楽しんでください。



ハイヒールで歩く

新技能:
ハイヒール歩行(肉体/易) 技能なし値:敏捷力−4、<軽業>−4、<演技>−3、<演劇>−3
これはハイヒールの靴で歩く技能です。20世紀においては、ふつう男性には珍しいものですが、いくらかの男優や演者にはとにかく必要になります(終わりにあるカウボーイブーツの注釈を見てください)。女性にはより一般的です。ヒールと履物の高さと形は、この技能を修整します。
低いヒール(1インチ以下):<ハイヒール歩行>必要としません。
中くらいのヒール(1〜2インチ未満):+2。
高いヒール(2〜4インチ未満):これが基本で、高さによる修整はなしです。
とても高いヒール(4〜6インチ未満):−1。
ものすごく高いヒール(6インチ以上):−2。
厚底:−1。
細いヒール(スチレットヒール、ピンヒール):基本で、修整はなし。
広いヒール:+2。
安定性の良い靴やブーツ:+1。
有効な安定性のない靴やブーツ(サンダル、バレエシューズ等):−1。
5倍の価格で、希少なの高品質の履物(芸術的なものではなく、つくりのよさ):+1。
5倍以上30倍までの価格で、非常に希少な高品質の履物:+2。
ここをクリックして、ハイヒールの高さによる技能修整の画像比較を見てください。

基本は中くらい(2〜4インチ)の細いヒールで通常の安定性をもっているものであり、修整はありません。地形はさらに一定の修整を与えます。硬く滑らかな表面:+0。硬くでこぼこしている:−2。柔らかいか、ぬかるんでいる:−2。階段を降りるときだけ−1。険しい表面を降りるときだけ:−3。割れ目、穴、格子:−3。もし1秒に1ヤードだけ注意深く歩き、頻繁に下を見ているなら、<ハイヒール歩行>判定は+4されます。

この技能のクリティカル成功は、着用者の動きをとても女らしく優雅にします。これは<性的魅力>に+2を与え、「最高の容貌」のように同性に嫉妬を起こし、結果として反応修整に−2されます。普通の成功なら普通に移動できます(次項参照)。失敗すると不愉快な結果が待っているかもしれません。「ハイヒール歩行失敗表」を参照してください。

長期間ハイヒールを履くことは痛いものです。ハイヒールの多くの足は苦しむことでしょう。GMは、ハイヒールを履いている1時間(とても高いヒールなら半時間)ごとに、足を休めてしばらくの間ハイヒールを脱ぐことに抵抗するため、意思および<ハイヒール歩行>の判定を要求してもかまいません。「我慢強さ」や「性的マゾヒズム」が助けになります。これはTL8以上では外科的に修整され、回避できます。『GURPS Bio-Tech』に”Archwork”として記述されています。

ハイヒールは移動に悪影響を及ぼします。通常の移動力は2まで減少します。3〜6はハイヒールでの走りであり、技能に−2され、特別な動作として改善されるかもしれません。6より大きい移動はハイヒールでは不可能です。

新動作
ハイヒール走行(並) 技能なし値:<ハイヒール歩行>−2  前提:<ハイヒール歩行>
この動作は、ペナルティなしにハイヒールで走ることができます。<ハイヒール歩行>のかわりに<ハイヒール走行>で判定してください。走りによる−2の修整を使わないで下さい。



ハイヒール歩行技能失敗表

・1差で失敗:
移動は粗野で、不器用で、「やぼったい」ものです。<性的魅力>の判定を−2します。他の<性的魅力>の修整はまだこれより重要かもしれません。
・2差で失敗:
上記に加え、つまづきます。移動力は4まで減少します。敏捷力判定に成功しなければ転倒します。
・3差で失敗:
靴のヒールが壊れるか、もしくは靴が痛みます。不均等のヒールでの移動は−4されます。別のヒールが得られない限り、<ハイヒール歩行>技能はさらに−2されます。
・4差で失敗:
足首の軽い捻挫。足1本に1点のダメージ。影響を受けた足はひどく痛み、2d日の間「歩行障害」のように扱います。
・5差で失敗:
足首のひどい捻挫。足1本に2点のダメージ。影響を受けた足はひどく痛み、3d日の間「歩行障害」のように扱います。永久に歩行障害になるのを避けるために、生命力+2で判定してください。
・ファンブル失敗:
足首に重症。腱がぷっちり切れ、骨折します。足一本に生命力の1/3のダメージ。影響を受けた足はひどく痛み、少なくともしばらくの間使い物になりません。2d週の間「片足喪失」として扱います。その後、永久に歩行障害になるのを避けるために、生命力で判定してください。



ハイヒールと性的魅力

ハイヒールをはく主な理由の1つは、外見の改善です。ハイヒールは着用者をもっと優雅に上品に、魅惑的に、セクシーに、美しく見せることができます。これは様々な要因により、多かれ少なかれ働きます。これは正しいペアを得ることから始まります。着用者の姿形にしっくりくるようなペアをみつけるために、<性的魅力>で判定してください。それぞれの試みは、品揃えの良い店で最低1時間かかります。成功すれば、容貌に+1できるペアをみつけます。クリティカル成功なら+2です。普通の失敗なら、容貌の修整はありません。ファンブル失敗なら、あなたをバカっぽく見せ容貌に−1されるもので、その上あなたに美しく見えるとの妄想を抱かせます。別の店で修整なしに別の判定をしてもかまいません。

長ブーツはさらに+1されます(マンガでの女海賊はこれを本能的に知っています)。いくらかの男性は自分たちより背の高い人に対し悪い反応を示しますが、このような状況での反応修整は−1です。セクシーな履物の社会的な悪影響ついては、「ハイヒールと<礼儀作法>」を参照してください。

<性的魅力>判定を修整するためにハイヒールがはかれている場合、それは目標の嗜好や性癖に依存します。ハイヒールに対するNPCの一般的反応を決定するために反応判定をしてください。もし「フェチ」の人がハイヒールに引きつけられたら、反応判定には+4のボーナスが与えられます。「良くない」以下の反応であれば、目標は何らかの理由によりハイヒールを好きではなく、彼を誘惑する試みには−1されます。
「良い」なら+1、「とても良い」なら+2されます。また、「最高」の結果はハイヒール愛好者を表し、<性的魅力>に+3されます。

<ハイヒール歩行>判定に失敗すると、以後の<性的魅力>の試みが台無しになるかもしれません。ハイヒール歩行技能失敗表を見てください。しかし、性的魅力を使うためにハイヒールで歩くことは必ずしも必要だとは限りません。

ポニーヒールは、性的魅力のために実用化されていない履物です。異常な好みに対してアピールするときだけ魅惑的な外見を女性に与え、このようなものを好む人を誘惑するときの<性的魅力>技能判定に、追加の+1を与えます。これらの珍しい靴やブーツは非常に希少であり、みつけにくいものです。従って価格は高価です。少し練習すれば、これらで歩くことを学べます。

新動作:
ポニーヒール歩行(並)、技能なし値:<ハイヒール歩行>−3  前提:<ハイヒール歩行>
この動作は、さらなるペナルティなしにポニーヒールで歩くためのものです。ポニーヒールは移動に悪影響を及ぼします。通常移動力は2まで減少します。3〜6はポニーヒールでの走りとされ、技能に−2されます。



戦闘でのハイヒール

ハイヒールは、2つの方法で戦闘に作用するかもしれません。1つめには、武器として利用されるかもしれません。2つめは、移動とバランスを制限して、障害となるかもしれません。

手持ちのハイヒール

ハイヒールが手に持って間に合わせの武器として使われるとき、<格闘>や<空手>による拳のダメージに、通常のボーナス全てに加えて+1されます。特別に準備されたハイヒールは、バネ式貫通刃を備えていると考えても良いでしょう。ダガーとして扱ってください。この特殊武器でしばらく(最低8時間)練習するまでは、不慣れなものとして−2のペナルティが与えられます。

ハイヒールでの蹴り

連続して重い蹴りを放つには、ハイヒールの靴やブーツでは安定性が減少して不適当になるとして扱います。サイコロを1個振ってください。1か2なら、1撃めでヒールが折れて通常ダメージ(以下参照)を与えますが、続いての蹴りは放てません。3か4なら、ヒールが不運なように壊れ、装着者の足に通常ダメージをもたらします。5か6なら、靴が脱げ裸足になります。ブーツをはいていたら、5か6は通常命中として扱います。

ハイヒールの靴やブーツでよい安定性をもたらすには、以下のルールを使ってください。

突き+1/叩きのダメージとして、蹴り攻撃を普通に解決します。とても高く細いヒールなら、ダメージタイプは刺しになります。もし、特別に準備されたバネ式貫通刃のハイヒールを使っているなら、ダメージは自動的に刺しタイプになります。

制限された移動とバランス

ハイヒールでの蹴りのたびに、GMは攻撃者に対し、攻撃を始めるのに十分な片足バランスを維持するため、<ハイヒール歩行>判定を要求するかもしれません。この技能判定には、通常の速い移動での修整が全てなされます。



ハイヒールと他の技能

ハイヒールと<軽業>技能
ハイヒールは軽業に追加の−2をもたらします。<ハイヒール歩行>で課された他の修整を全て使ってください。どんな失敗でも、靴のヒールの破損を意味します(GMの判断)。

ハイヒールと<運転><オートバイ><操縦><乗馬>技能
ハイヒールは、運転や操縦や乗馬をさらにいくらか難しくします。これらの技能への修整は、中くらいのハイヒール(2〜4インチ)で−1、とても高いヒール(4インチ以上)で−2です。<乗馬>は追加で−1されます。

ハイヒールと<礼儀作法>技能
ハイヒールはどこでもよく受け入れられるとは限りません。いくらかの人々は、過度にセクシーな履物は、売春婦のはくものだとみなします。その社会情勢の中でハイヒールの影響を判断するには、<礼儀作法>判定を行ってください。「流行の最先端」の特徴は、この判定に+5をもたらします。成功すると、そのペアを優雅に見せることができます。クリティカルなら、そのペアはまさに流行りのものであり、流行を意識する人たちから+1の反応ボーナスを受けるでしょう。5差以上の失敗なら、そのペアはあなたに、望まない「プリティ・ウーマン」のイメージを植え付け、可能なマイナス反応修整を負わせるでしょう。

ハイヒールと<忍び>
スチレットヒールは、固い地面では特殊な音を出します。これは<忍び>技能判定に−4されます。幅広のハイヒールは、そのヒールの材質によって−1〜−3されます。



マンガ的なハイヒール

マンガ的なルールは単純です。技能の必要性も、痛みも、移動の制限も、他の技能への影響も、失敗もありません。真のヒロインは、決してつまづいたり足首をねんざしたりしません。「容貌」と<性的魅力>の増強、および戦闘での可能な使用のみを用いてください。



男性のためのハイヒール

私は読者に以下の記事を報告されました。
『米国の多くの部分では、幅広で中くらいのヒールのブーツは、一般的に男性にはかれています。これらのブーツは、カウボーイブーツとして知られています。男性にとって、その主要な利点は、増加した明らかな身長です。それらは水平で滑らかな地面を歩くときには快適です。別の利点としては、破れたジーンズからスーツとネクタイに至るまで、どんなものにもよく似合う履物だということです。そして、スーツを着ているときには、靴下が見えることはなく、どんなものでもあなたが「好き」な靴下をはくことができるということです。』
追加はありません(ありがとうVictor)。

幅広で中くらいのヒールは<ハイヒール歩行>技能に+4のボーナスがあります。



冒険のタネ

私がいくらか書き記すと本当に思いますか? もしかしたら、『GURPS Sex / GURPS Places of Mystery』のクロスオーバーで『Heels of Fortune』とかね。(^_^)





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