You are mine
タイトル『You are mine』



ブラウン管の向こうに、あなたが居た。

私以外の女の子たちに、たくさんの笑顔を振りまいてた。


イヤ・・・・


その笑顔は私だけのものなのに・・・・・・・



+++++



玄関のチャイムが鳴る。


夜遅く、もう時刻は11時。

慌てて走っていき、ドアを開けた。



「はぁーい!」

「・・よ、 。遅くなってゴメン」

「・・・・涼平・・・。」



一人暮らしをしている私は、みんなのアイドル・涼平と付き合っている。

いつも仕事が終わると、涼平はこうして私に会いに来てくれるのだ。




でも



最近・・・・




私の中で、何かが張り裂けそうになってしまっている。



+++++



「・・今日は、何の仕事してきたの?」

「ん〜、音楽番組!生だったんだぜ、見た?」

「うん、見たよ〜。8時からのやつでしょ?」

「そうそう!!・・・嬉しいな、 に見てもらえて」

「・・・何よ・・・・・。ファンのコたちに、いっぱい笑顔振りまいてたくせに・・・」

「えっ?何か言った、 ・・・・?!」

涼平がそう尋ねた途端、私は涼平に素早くキスをした。


あまり積極的に行動しない私の突然のキスに、涼平は少し驚いたようだった。



「・・・ ・・?どうしたんだよ、ちょっと変だぞ・・・?」

「変じゃないよ・・・・。どうして・・・・そんなコト言うの・・・・・」

「だって、なんか怒ってる。俺何かした?」

「・・・・・・・・ねぇ、涼平。」

「え?」

「・・・抱いて・・・・・!」

「は、抱いてって・・・///ちょ、 !?!」


もうはちきれそう。


私は涼平の意見も無視し、服を脱いでまたキスをした。



+++++



「んっ・・・はぁ、ウ・・ぷはッ、 !!」

しばらくキスしていると、涼平がムリヤリ唇を離して叫んだ。

まるで、少し怒っているかのように―――


「やだ、涼平・・・なんで怒ってるの?離れていかないでっ」

「今日の 、少しおかしいよ。俺はそんな 嫌だからな!!」

「ちょっ・・・涼平!!イヤ・・・・行かないで!!!」




行かないで・・・・・



私から離れていかないで・・・・・










「・・・・・待って、涼平っ!!」



玄関に向かう涼平の背中に、私は必死でしがみついた。





「ごめんなさい・・・。私が悪かったから、許して・・・!行かないで」



「・・・・・・。なぁ 、教えてくれよ・・一体何が不満だったんだ?」


私が素直に謝ると、涼平は許す代わりにこう尋ねてきた。





――私は、正直に気持ちを話した。





「・・・・・。涼平は・・・確かに、みんなのアイドル。それは、私だって承知してるし、よく分かってる。
・・・だけどね・・・最近、つらいの。知らないうちに、ファンのコたちに嫉妬して・・・・・私だけの涼平になってほしくて・・・・・・苦しくて」

「・・・・!  ・・・・・・・」


気づくと、私は涙目になっていた。


涼平が好き。


想いが溢れ出てしまいそうなほど、愛してしまったの。



それ故に・・・・・



此れは、




“嫉妬”。









「ねぇお願い・・・。寂しさを埋めたいの・・・・抱いてよ・・・・涼平・・・!」

「・・・・ああ、分かった。 、ごめんな・・・!!」


涼平は今度は私を受け入れ、熱く唇を重ね合ってくれた。



+++++



「ん・・・・・っ。ふ、んぅぅ・・」


私と涼平は、すでにベッドの上で続きをしていた。



私の服ははだけ、涼平は上半身裸の状態。



涼平のしている十字架チョーカーが、鎖骨で光って何だかセクシー・・・。





「・・・ 、何で目開けてるんだよ。ムード作れって・・」

「・・クスッ、雑誌では絶対言わない言葉だね。」

「はぐらかすなって・・・ここでは、普通の青年で居てほしいだろ?」

「・・・うん。涼平・・好きっ・・・・!!」


途端に、涼平の熱いモノが私の中へ入ってきた。


『好き』の声がちょっと裏返ってしまって、恥ずかしい気分。



でも、私たちはひとつになれた。




そのうれしさに酔いしれる今・・・―――。



+++++



・・・ねぇ、涼平。


私は、分かっています。




あなたが、アイドルである事。


アイドルである以上、ファンの人たちがいてくれるおかげで仕事を続けられる事。




だけど・・・・




私があなたの彼女である限り、少しのワガママきかせてください。



涼平は、私のもの。


誰が何と言おうと、ファンのみんなのものではなく・・・




私だけのものです。






離れていかないで。



ねぇ、涼平。




ずっと、傍に居て・・―――。




<fin.>


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