カタチあるもの
タイトル『カタチあるもの』




「・・・・あれっ?今度は、出てない・・・。」





“あの日”から、一週間。




二度目の行為を終え、シャワーを浴びていた は、前回との変化に気づいた。






「・・・何でだろ??」





に相談してもまたからかわれるだけだ、と思い、仕方なく はその場をやり過ごした。




+++++




―――翌日。





はある決心を固め、本屋へ向かった。





















――ピンポーン――。











「・・・ 、居る??」

「あ、 〜?いいよ、勝手に上がって」

「ああ。お邪魔しま〜す・・・・」





がいつも通り、 の家にやって来た。









「・・・???」






いつもと違って少しそっけない の態度に、 は疑問の色。












「・・・・ ?なんか、怒ってるのか・・ってあぁああっっ!!!?」






が部屋に入っていくと、そこにはマジメに本を読む の姿があった。






「お、お前・・・!!とうとうおかしくなった!?」

「とうとうって何よぉ〜〜っ。バカにしないで〜」

「だ、だって・・! 、普段本なんか全然読まねーじゃんかよっ!!」

「これ、本じゃないよ〜?雑誌だよ、雑誌!」

「・・・・あ、な〜んだ。どーりでおかしいと思ったぁ・・・。
どれどれ、何の雑誌読んでんの?」

「あ、ちょっとぉ!!!だめ、見ないでっ・・・・!!」






が止めた時にはもう遅く、手にあった雑誌はとっくに の手へと移り変わっていた。







「・・え〜っと、なになに?『思春期の女の子のための“性”お悩みBOOK』・・・??」

「・・・やだぁ〜〜っ、もう!!読まないでよぉ///」

「え、何 ・・・・お前こんな雑誌買うヤツだっけ!?」

「バカッ、私だってこの本買うの超恥ずかしかったんだからね〜!!!」

「俺だって、エロ本初めて買った時は恥ずかしかったぜ?」

「一緒にしないでよッ///」





は顔を真っ赤にしながら、 の手にある雑誌を取り返した。





「・・・ナニ?なんか、悩んでるコトあんの?」

「・・・・カンケーないでしょ」

「いや、おおいにあるって!!ホラ、俺 の彼氏だし♪」

「・・ワケわかんない。」

「んで、悩みって何??言ってみろよ!俺に言えば解決できるかもよ?」

に言わなくたって、もう解決したもん。この雑誌に載ってたし」

「え〜っ、気になるじゃん!!どーゆー悩みだったんだよ〜!!!」

「・・・んもぉー、しつこいっ!そんなにしつこいと、キライになっちゃうからッ!!」

「バカ言うなよ〜。俺のコト、キライになんてなれねーくせに♪」

「うるさいうるさぁ〜〜っい!!!もうほっといてよっ!!」










が怒り出したので、 はしぶしぶ静かになった。

















「・・・・・え・・・・!?!?」







しばらくすると、雑誌を見ていた が突然驚いたような声を出した。






「あ?どうした、 ?」

「セ、セック、ス・・・って・・・・!何か用具つけないと、赤ちゃんできちゃうのッ!?!」

「バーカ、今頃知ったのかよ!?そんなん、今時の小学生だって知ってるっつの」

「わ、わ、わわ私たち・・!!!その用具、つけてやったっけ!?!?」

「ああ、避妊具?・・・そーいやつけてねーな。」

「・・・ウソーーーッ!!じゃ、じゃじゃじゃあ・・私!!!
妊娠しちゃうかもしれないってコトーーー!?!」

「・・バカ、落ち着けって!!ほらココ読んでみろよ。ハズレの場合もあるんだぜ?」

「で、でもっ!!逆に言えば、アタリの場合もあるってコトじゃない!!!
どうしよーーっ・・私、この歳でママになるなんてやだよぉ〜〜・・・!!」

「・・・確かにな・・。じゃあさ、そんなに不安だったら、明日産婦人科行ってみれば?」

「うぅ〜・・・・。 わ、分かった。行ってみる、私・・・」















(―――信じらんない。だって私、まだ中学生だよ!?親離れだって、してないのが普通の歳なのに・・・
自分がママになる!?・・そんなの、ウソに決まってるよね・・・・っ!?!やだよぉ〜!!)











の不安は、胸の中でどんどん大きくなっていった。
















































―――そして、翌日の夜。







は、 の家を訪れた。








「・・・んで、 ・・どうだった?行ってきたんだろ、産婦人科・・・・。」

「うん。あのね、それで、私・・・」

「・・・・で?」








は正直、もしも が本当に妊娠していたらどう責任を取ろう、と、少し不安を胸に抱いていた。
















「・・・私!!!妊娠・・してなかったよ・・・・!」

「・・・・・・え。マジで・・・!?!良かったなーー!!びっくりしたじゃんか〜〜っ。。」










の一言に、 自身も、とても心が軽くなった。







「え、じゃあ・・やっぱハズレだったん?運良く」

「うん、それもあるんだろうけどね・・・。私、知らないうちに、お母さんにピル飲ませられてたみたいなの。
だから、避妊が成功したんでしょう、って・・先生がおっしゃってた」

「な〜んだぁ〜〜。そうだったのかよ〜!!ったく、驚かせんなよなー。」

「ちょ、ちょっとぉ何よ!!!もとはといえば、襲ってきたのは でしょー!?また人のせいにするんだからっ!!」

「・・・ぷっ、冗談だって〜!すぐ本気にするのな、 ♪」

「・・・・うー。 の無神経・・・!!(怒)」

「でもまぁ、ホントよかったじゃん♪これからも、避妊に気遣って頑張ってこーぜ!」

「うんっ。・・って、これからもって何ーー!?!私、もう当分やらないからねーっ!!!」














――お騒がせな の夜は、また今日も二人仲良く更けてゆくのでした――。







みんな、避妊には充分注意しよーね。(笑)





<fin.>


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