無題
タイトル『無題』



ってさぁ・・・。」
「ん?」

―――全てはこの一言から始まった・・・―――



ある土曜日の午後、 はテレビを見ていた。

たちはもう高校生・・・実はもう二人暮らしたるものをしていた。


が思わず質問する。


って私といてもなかなかキスしてくれないよね〜?」
「ぶっ・・・・!!」

思いがけない質問に はさっきまで口にしていたコーヒーをふきだしてしまった。

顔はもちろん―――赤くなっていた。


「なっ何言ってんだよ!?」
「だって本当のコトじゃん」

の反応に対して はケロッとしていた。


「私って色気ないのかな?」

そう言いながら、自分の体を、胸を触っていた。


「〜〜〜〜っ・・・・/////」


(何言ってんだよ、 は・・・。オレのコト男としてみてんのか?)


そうこう考えているうちに はあらんコトで頭がいっぱいになった


(落ち着け・・・・・落ち着くんだ・・・・・。)


(それにしてもオレはなんで のコトで、こんなに動揺してるんだ?)



を見ながらクスクス笑っていた。


「・・・・・?何笑ってんだよ?」

「だって 、動揺してるから・・・・・。」



――また遊ばれた・・・・・。



その後すぐに のちょっと照れた(?)怒鳴り声がしたのは言うまでもない・・・・・。




+++++


―――今日もいつも通り、2人でひっついて寝るだけ・・・・・



・・・・・・・のハズだった―――――


「・・・・・・・。」


は絶句した。


今日は暑い、ということで が新しいパジャマを披露する・・・ということだったのだが――



「変かなぁ・・・・・?」


が不機嫌そうに聞く。だがそんなことも耳に入らない状態だった。



―――純白のワンピースだった。

ファスナーが胸のところからすそまで続いていて。


・・・・・うっすらと体の輪郭が見える。



「いや・・・・。すっごくいい・・・・・。」
「本当!?」



の瞳が心なしか光って見えた。







「今日は満月ね・・・・。キレイ・・・・・。」


そう言った の横顔が切なそうだった。





・・・髪からいい香りがした。



(オレの好きな・・・・・花の香り・・・・・・。)



今まで気づかなかった。


は・・・・・覚えてくれてたのに。



そっと の頬に触れて、こっちを向かせた。



・・・・・・っ」


突然口を塞がれた。



しばらくして は言った。



「挑発したのはお前だぞ?今更“いやだ”って言っても遅いからな・・・・・。」





満月の光で出来た2つの影は重なっていく。





「ん・・・・・・・っ」




に扱われていた。




「・・・・・ ・・・・・・・」



(どうしてだろう? の顔がゆがんで見える・・・)




「大丈夫か?・・・・・涙目になってるぞ?」



そっと涙を拭いてくれた。そして意地悪そうにニヤッと笑いを浮かべながら言う。



「今日はヤめとくか〜〜?」


は耳まで赤くなった。


「んもぅ!!・・・私の裸見たからには責任とってもらうんだからっ。
・・・・今日中に・・・・・っ。」



目を丸くしてから、またニヤリと笑ってから言った。



「・・・・ったく・・・。明日、足腰立たなくても知らねーぞ・・・・・。」




+++++




―――――――翌日―――――――


チュン・・・・チュン・・・・。




(――――朝?)



鳥の声が聞こえる。私は―――――・・・。


「!?」




思わず体を隠した。


(なっなっなっなんで・・・・・・・)



そういえば昨日気を失って・・・・・。


「おーーー。起きたか」


が頭をかきながらベッドルームに入ってきた。


「お・・・・はよう・・・・。」

「おはよう、お姫様v」


がケタケタ笑いながら をからかった。


「んもぅ!! ったら・・・・・!?」


勢いよく立とうとしたら・・・・・腰を抜かしてしまった。


「???」



の様子を見ながら今度は自信ありげに・・・・


「ほ〜ら、オレの言った通りだ。無理しなきゃ良かったんじゃないか〜〜〜?」


・・・・・私で遊んでるでしょ!?」

「昨日の仕返しだ。けじめがついていいだろ?」


な〜に言ってんだか、という顔で は口をとがらせた。



「それよか早く服着たらどうだ?朝っぱらからヤっちまうぞ?」


「あ」





はっ、と我にかえる。



「スケベぇ〜〜〜!!」


と言いながらベッドに散らばった服を着る。



「・・・・・っとに・・・・・」



―――可愛いったらありゃしない・・・・・―――




「ちょっと」

「あ?」

「ジロジロ見ないでくれる?」



―――昨日と態度が違うと思うのは、オレだけか?



はため息をつきながらベッドルームをあとにした・・・・・。



<END>



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