まだ高校生だった頃。
新潟の従兄弟の結婚式に父親の代打で行くことになった私は、学校をやすんで4年ぶりにいく新潟に浮かれていた。
岡山から新大阪まで新幹線で、大阪から飛行機で行くのだが、空港までバスで行く為母親が切符を買いに行った。それを1人大荷物でぽけら〜っとしていた。
「お嬢さんどこまでいくの?」
一人のおじさんに声をかけられた。
どうやらタクシーの運転手みたいだ。
しかし、パンチパーマで厳ついおっちゃんだ。
やくざ入ってる気がする・・・。
「空港ですけど・・」「バス?!今ねぇ道が混んでてたぶん間に合わないよ!」
「へ?」
しかし、母親(財布)が戻ってこないとなんとも言えない。
と思っていると母親が戻ってきた。
「なにしてるの?」
「あ、なんか道が混んでてとか言われて・・・」
「奥さん達、空港いくんでしょ?今渋滞でバスじゃ間に合わないよ!タクシーでいきなよ、安くするから」
「そ、そうなんですか?じゃあ・・・」
と結果そのおっちゃんのタクシーで移動となった。
が、乗って数分後。
とんでもないことに気がついたのだ。
*
タクシー会社のロゴ等がまったく無い。
* 料金のメーターが無い。
*
おっちゃん、めっちゃスピード狂(爆)
*任侠の曲かかってる・・・
私は後ろの席で顔色を変えていたが、母親はおっちゃんと談話している。
「奥さん達、どこ行くの?」
「新潟で親戚の結婚式があって」
「ほ〜、そりゃおめでたいなぁ」
おかあさん、娘の様子に気づいてよ・・・(泣)
ふと良く見ると道はがらがら。
・・・混んでいたのではなかったかえ?
おっちゃんはもちろん私の心中を察することなくどんどん飛ばしていく。
終いには「おら、どかんかいっ!!」と荒くれ親父と化して窓を開けて吼えていたのだ。
ま、乗ったもんはしゃーない。
冷静に事を楽しむことにした私は、今度は母親の様子がおかしいことに気づいた。
「できるだけ急いでください、人が迎えに来てるんで!」
誰が迎えに来るのさ、おかあさん?
いらんことをいって刺激したくなかったので、そのまま二人の話を聞いていると心待ちにした空港へ到着した。
バスで30分くらいだったと思うが、タクシーで10分で着いた。
どんだけ飛ばしたのか・・・。
おっちゃんから早々逃げ去った私ら親子は、喫茶店へ。
だって飛行機の離陸時の1時間以上前に着きゃ、お茶もできるさ(笑)
「お母さん、あのタクシーおかしかったよねぇ?・・・」
「だから急いでもらって逃げたんじゃが!!」
そうか、お母さんも気がついたか。(笑)
ということで二人でパフェを食べながらの感想。
「生きてるからパフェが食べられたんだね」
金額的には2000円とたいした事はなかったが、新潟に着いてから電話した父親には大ウケしてしまった。
「新潟に着く前におまえはネタになるか〜!(爆笑)」
お父さん、貴方の代わりに行って娘はネタになったのですよ?(泣)
まぁ無事に岡山に帰れたのでネタで済んで良かったです。
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