・・・いずこへ?

竹下通りのちょっと奥まったところに結構好きな紅茶のお店がある。

小さいお店だけどアンティークがセンス良く飾ってあり、雰囲気も落ち着けるので原宿へ行ったときはいつも寄って行く。もちろん味も良い。

原宿を買い物して回ったおねーさん達をはじめ、近所に住んでそうな文学青年まで、となかなか客層が面白いので、1人で行ってもそれはそれで楽しいのだ。

 

この日も友人2人を引き連れてその店にやって来た。

少しばかり賑やか過ぎる3人が楽しくお茶をしていると・・・

 

「あ、地震だっ!!」



T氏が軽く椅子から立ち上がり、顔を上げて言った。

誰でも地震と気づくくらいの大きさだった。


壁を背にしていた私とYちゃんも、慌てて椅子から立ち上がろうとしつつT氏が見た方を振り返る。

そしてYちゃんはこう言った。

 

 

「え?地震どこ?」



・・・・・・・・・・・・


地震で少し騒ついていたが元々静かな店はいっそう静まっていた。









その空気を壊すように私は一言彼女に聞いた。

 

 



「地震はここで起きたんじゃ・・・?」


するといきなりT氏は大笑いしだした。


「俺も間違ってる」

「は?」

「いや、『あ、地震だ!』とは思ったんだけど、なぜか壁にかかってる振り子時計を見て言ったんだよ」

「・・・そりゃ振り子はゆれてるわな」


Yちゃんはそれを聞いて

「だから振り返って言っちゃったんだよぉ〜!」


ごめん、微妙に違うから(笑)

本能的に振り返っちゃったりするけどね、ああいうのって。

 

それから他のお客さんの視線が痛かったので、居た堪れない「とっても天然3人組」はお店を出て行ったのは言うまでも無い。

ただ・・・

 

「あれは他の客も笑ってたよなぁ」

「おいしいな、Yちゃん」

「でも、Tさんが悪いんだよ!・・・でも面白かったよね!」

「いやぁ、今日は君がMVPだよ」(肩をぽんぽん叩きながら」

「なぁ〜、オイシイよなぁ」

 

あくまで前向きな3人組であった。。。

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