酸素談義
酸素談義(1)
往人:という訳で話し合うぞ。
観鈴:往人さん、どういう訳なのかわかんない・・・
往人:理解しろ。
観鈴:む、無理・・
往人:(ちっ、仕方ないな・・)つまり――
往人:――という訳だ。
観鈴:という訳って、全然説明されてない・・
往人:ちっ、ばれたか。
観鈴:からかわないで・・ちゃんとしないと、怒られちゃうよ。
往人:誰に怒られるんだ?
観鈴:お母さん。
往人:晴子か・・・
観鈴:お母さん、怒ると火を吹くの、がぉーって。
晴子:吹くかっ!
往人:おお、それは恐怖だな。
晴子:居候も納得すなっ
往人:なんだ居たのか。
晴子:さっきから居たわっ
観鈴:お母さん、そんなに怒ると小じわが増えちゃう・・
晴子:ウチをいくつや思ぅとるんやっ!まだ二十代やで?
観鈴:わ、お母さん酔ってる・・・?
往人:ああ、かなり酔ってるな。激・悪酔いだ。
晴子:事実や!
往人:それはいいとして
晴子:何が良いんや!何も良いこと無いやんか!
往人:気にするな。言葉の彩だ。
観鈴:往人さん、あけましておめでとうございます。
往人:おお、もうそんな時間か。おめでとう。
晴子:・・・・・・
観鈴:わ、新年早々むすっとしてる・・・
往人:おいそこの娘
晴子:えらそうやな・・・居候。
往人:折角めでたい正月だぞ。挨拶位ちゃんと言え。
晴子:あーはいはい、おめでとさんな。
往人:という訳で、だ。
晴子:なんや?その手ぇは?
観鈴:お年玉、欲しいなっ
晴子:・・・・・学校中退で終ってもええんやったら出したるで?
観鈴:わ、私年越し蕎麦作ってくるねっ
往人:くれ。
晴子:飯当分抜きな?
往人:ふっ・・俺はそんな脅しには屈しないぞ。
晴子:そか?惜しいな〜。
今年のラーメンセットはちょ〜っと豪華になるはずやったのに。
往人:はて・・?俺は何をしていたのだろう・・
観鈴:わ、往人さん、記憶喪失・・・?
往人:・・・腹減った。
観鈴:もうちょっとでできるから、待ってて。
晴子:さって・・・と・・・ウチも一杯やるかな〜
往人:嫌だ。
晴子:まだ何も言うとらんわっ
往人:どうせ「酒飲むのに付き合え」とか言うんだろ?
晴子:「酒飲むからなんかやってくれ」言おう思っとったんや。
往人:嫌だ。
晴子:やらんかったら今年はラーメンセット無しや。
往人:何なりとお申し付けください
往人:って、誰がそんな真似するかっ!
観鈴:わ・・往人さん、下僕に・・?
往人:違う。
晴子:下僕やない、奴隷や。
往人:変わらないじゃないか・・・
晴子:変わったら恐怖や。
観鈴:往人さん、恐怖だったんだ・・・
往人:感化されるな!丸め込まれるな!
お前だけは俺の味方だと信じてるぜっ。
観鈴:わ・・信じれらちゃった・・
晴子:人は信じる物やない、信じさせる物なんや。
往人:何立派そうで全然訳さっぱりな事言ってるんだよ・・
晴子:ウチはまだ酔ってへんでぇ!
観鈴:酔ってるね。
往人:今度はしっかりと酔ってるな。
観鈴:しっかりなのに酔ってるって、ちょっと変・・
往人:それはそうと、年越し蕎麦・・・
観鈴:あ、ごめん、まだ作ってない・・
往人:・・・マジか?
観鈴:うん、マジ。
往人:・・・・・
観鈴:・・・・・
往人:やってらんね・・
(続く)
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